下町の欧米小学生物語もいよいよ完結。
賑やかな日常と黒いネタ。時にシリアスが入り混じる本作。
その「シリアス」について幾つもの伏線が貼られてきましたが、いよいよご本人達が登場です。
というわけで、折角なのでこの5巻の感想は完全にネタバレ込みでお送りします。
まあ、発売からしばらく経っていますし。
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ウチのサイトは原則として、レビューではネタバレは避けます。
その代り、セパレートレビューの「感想」に当たるここではレビューで語れなかった内容に付いて語るので、ネタバレが多いのです!
というわけで、序盤からリズの出生の秘密についての話題が目白押し。
お正月から重要キャラとニアミスし、おコタに入ればリズっちのお母さんの話に。
そして・・・新キャラのリサ。
はい、超重要人物です。てか、「ネタバレする」って散々宣言していますもんね。そう、リズっちの妹です。
そして、リズの「もう1人の母」も登場。
はい、ちょっとややこしい家庭のご事情です。
その「ややこしい」部分がこの物語のミソ。
リズっちに母は親が2人いるんです。生みの親と育ての親。
これまでリズが「母」と呼んでいたのが「育ての母」の方。リズにとっては唯一の母、という認識でした(この人も色々とややこしい設定の方)。
まさか自分と血が繋がっていないとは思っていなかった様子。
というわけで、この5巻で「生みの母」と再会しますが、混乱するリズと超が付く程のハイテンションな母。
感動の再会には程遠い、コメディ色満開の再会となりました。
シリアスな設定の筈なのに、重苦しい空気にならなかったのはこの2人だからでしょう。
その後、なかなか母を受け入れられないリズっちですが・・・母のこの性格なのであっという間に仲良くなっています。
というか、ホント親子なんだなぁ・・・よく似ています。
容姿もそうですが、中も物凄く通じ合ったものがあります。
明るくて賑やかで行動力がある、魅力的な女性なのです♪この人好きだな〜。
5巻はこのリズの家族の話が全てです。
第1話はお正月。そこはいつもの日常なんですが、ここでリサがちらりと登場し、そこから一気に怒涛の展開。
母との和解の後、リズは夏休みの間故郷へ里帰り。
そして・・・そのまま日本へは戻らず・・・
結果、子供達までリズの故郷へ!?
舞台は北欧へ移るのです。
P88とかは舞台が海外だからこそのネタ。
その後も結構なシリアス展開の筈なんですよね。流れだけ考えたら。
でも、やっぱり重苦しい雰囲気は全く無くて。そういうの、やっぱ流石です。
フォワードで連載していた「トランジスターティーセット」もやっぱり「伏線を幾つもちりばめ、割とシリアスな設定の筈なのに基本はドタバタで明るい作品」でした。
シリアスな設定でありながら明るく賑やか。先生はそういう作品の名手です。
1巻丸々かけて物語が進行したため、非常に丁寧に描かれているというのもあります。
それぞれの心理描写舞台の移り変わりも性急さを感じませんでした。
感情や決意、そして行動して分かった事や教えられたこと。そこからまた決意と行動へ・・・
登場人物達総動員かつかなり大掛かりな物語。
それぞれに想いがあって、なおかつ行動力がある人達。
それに、4巻までの賑やかな日常があるからこそ、っていうのも。
何度も言いますが、シリアスなのに賑やかで楽しい作品。
見事な完結編でした!
カバー裏は「やろうと思ったけどやらなかったお話 + 設定」。
・・・すんごく興味のあるのも沢山♪
特にひのママとか絶対賑やかな話になりそうで見てみたい♪
ひのき・・・苦労してそうだ。