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うぃずりず

作者 里好 作者HP 里好的ブログ
掲載誌 まんがタイムきらら(芳文社) 単行本数 5巻(連載終了)
Wikipedia うぃずりず
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内容 東京の下町の小学校に転校してきたのは金髪に碧眼の外国人「リズ」。
最初はちょっとずれただけの普通の外国人転校生だった筈が、いつの間にか異常に偏った知識と感性の「日本人よりも日本人らしい小学生」に・・・
見た目は外国人だが中身は立派な日本人?な小学生とそのクラスメイト達を描く日常系小学生4コマ。
ネタはリズのずれた日本人感覚や、クラスメイトの「ひのき」「黒杉」「イズ」達との交流、祖父の「銀四郎」との日常を描くもの。
東京の下町(三ノ輪橋駅等の実在の駅も作中に登場)を舞台にしており、下町ならではのネタや描写が非常に多く、繊細に描かれている事が特徴。
基本的に明るく凝ったネタの作品ではあるが、時折リズの出生に関わるシリアスなシーンがあり、終盤はそれが大きくストーリーに絡むことになる。

作品自体は2011年2月号で完結したが、きららのサイトにて連載されている「うごうご4コマ もっと!うぃずりず」というFlashアニメについては連載終了かどうかの言及は無い(全47本。47本目のタイトルが「小団円」と本編の完結にちなんだものになっているが、こちらの連載が終了するかどうかについては言及されていない。)。

作者の里好氏はコミスタやIllustStudioやshade11standard、タブレットPC等々・・・数々のソフトやハードを駆使して作品作りをする完全デジタル派の漫画家であり、デジカメを持って東京を巡り資料画像集めを行うなど、背景や小物のクォリティーが非常に高い。
この傾向は同作者のコマ割り漫画「トランジスターティーセット」にも如実に表れている。
なお、双方共に東京の下町を舞台としており、その描写力が高いことに定評がある。

きららの新人発掘企画「きら☆スタ」の初挑戦作品として掲載され、連載に至った数少ない「きら☆スタ出身作品」にして作者の漫画家デビュー作。
また、姉妹誌へのゲスト掲載により、きらら姉妹誌全て(コマ割りのフォワード含む4誌)に掲載されたことのある珍しい作品でもある(その全てが単行本に収録されている)。
感想 小学生らしさと笑い(時々黒い)、そして下町情緒と日本の風情が融合したステキ作品です。
実はこのサイトを立ち上げる当初、「この作品だけはレビューするぞ!」と決めていた作品の一つだったりします。
んが、「もうすぐ最終回かもしれない=最終巻があと数カ月で出るかもしれない」という状況だったため、最初にレビューした時は最終巻が出るまで待ってから、という形でさせて頂きました。
というわけで、お気に入りの作品でありながらこのサイトでレビューを掲載するまでに時間がかかりましたが、結果として、このサイトでの100本目という大きな節目のレビューがこの作品となりました。
私にとっては、このサイトの一つの区切りに相応しい印象深い作品なんです。

私は根っからの大阪人で、サイトでもその事を頻繁に話題にしています。その一方で、他地方に対する敵対心やライバル心はほとんどありません。
当然、東京に対してもそうです。最近の若い大阪人はそういう人が多いですよ。
おまけに、本作で描かれる風景は私の地元と雰囲気が近いこともあり、親近感を覚えるところもあったりします。
それに、この作品は日本の古き良き文化やそれにちなむ雑学が頻繁に出てきて、私好みなんですよね。
おまけにこの方、いい笑いのセンス持ってはりますわ。
画風だけでなく作風そのものもブレずに連載が続いたところも凄いです。
緊張と緩和を上手く使っていたり、高度なやり取りによって生み出されるものだったり、日本文化や雑学に基づいたネタだったり、時々ダークだったり、高い画力を活かしたものだったり・・・
メインの4人がそれぞれ全く違う色の笑いを生み出せるようになっていますし(バランスいいですよねぇ)。
見た目が外国人なのに中身は完全に純和風(しかも昭和)のリズ。
子供らしい子供で笑いのためにひた走る元気印で浅はか陰謀家のひのき。
ダークな真の陰謀家にしてサディストの黒杉。
見た目が日本人なのに中身はしっかり外国人(しかも日本語喋れない)で喜怒哀楽のはっきりしたイズ。
それぞれがツッコミも行いつつ、それぞれの色のあるボケも搭載。
それによって安定した高い笑いのレベルが展開され、萌え4コマとしては非常に長期と言える連載を続け、5巻に渡る大作になりました。

キャラクターとしてはひのきの明るくて純真で、ちょっと浅はかな陰謀家なところがとても好みです(2巻P77右4コマ目の「ダメ大人の目」は作者さんの描写力、凄いなーって感心しました。というか、この方は僅かな表情の違いでその心情を表現することに長けてらっしゃいますね。)。
こういう明るい「子供らしい子供」のネタって単純に「見ていて面白い」んですよね。
それにこの子は「狙ってボケるタイプ」ですし。
真逆の黒杉のダークさも見ていて楽しいですが。
ホント、作者さんの「べのんざべのん」のべのんを少しだけマイルドにしたようなキャラですね(べのんを知らない人はググってみよう♪)。

それにしても、「きら☆スタ」ってどこ行っちゃったんでしょ・・・
雑記 古き良き日本な単語が無数に飛び出すこの作品、そんな言葉を拾ってこの雑記で解説・・・ しようと思って作業をしていたら、物凄く量が膨れ上がってしまいましたので、レポートとして纏めました。
題して、『うぃずろーれ』
ま、タイトルのネーミングセンスは置いておいて下さい。
「ろーれ」は「lore」、日本語で言い伝えや知識、教えといった意味です。
いや〜・・・この作品も研究しがいのある作品でした。
単行本 発売日 ・1巻:2007年4月26日
・2巻:2007年12月26日
・3巻:2008年11月27日
・4巻:2010年2月27日
・5巻:2011年2月26日
●試し読み まんがタイムきららWeb:1巻
まんがタイムきららWeb:2巻
まんがタイムきららWeb:3巻
まんがタイムきららWeb:4巻
まんがタイムきららWeb:5巻
関連項目 ●ジャンル 小学生 ●チャート
-
●データ 徹底追及
作品の舞台
主婦なお子様
●作品研究 うぃずろーれ
●作者別
-
●各巻感想 1巻
2巻
3巻
4巻
5巻
あわせて読みたい
四季おりおりっ!
この作品の様にブラックなネタが中心でもないですし、笑いに主軸を置いた作品ではありません。
が、日本の古き良き文化やタイトル通りの四季折々なイベントや行事を扱っている点で共通しています。
楽しみながらも学びたい、という方にお勧め。
ほほかベーカリー
「日本人以上に日本人な外国人」を描く作品。
ネタの方向性は違いますが、その要素は共通です。
こちらはどちらかというと日常的なあるあるネタ中心です。

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