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ざっちゃん - 3巻

取り敢えず、『凶星七番勝負』の事はしばらく放置します。
というのも、残り1戦。その結末は同時に作品の完結を意味します。
というわけで、前半はそれとは関係のないお話が続きます。
まずは、人間キャラとしてさっちゃんの担任のよーちゃん登場!
ここにきてまさかの百合キャラです。でも、萌え要素皆無。うん、この作品はそうでなきゃ。
そのまま、ホント登場の無かった学校イベントがメインで描かれます。
そういえば文化祭の準備をさっちゃんの家出したくらいで、基本的に家の中なんですよね。
まあ、「座敷童子」ですし。家から出る方がイレギュラー。
ですが、2話では北海道編!修学旅行です!
雪ちゃんも再登場し、波乱含みの旅は続きます。

ざっちゃん、実は妹キャラです。ええ、男の子と思っていた人もいるかとは思うんですが、女の子です。で、姉がいます。
ちなみに、私もずっと男の子だと思っていた口です。
よくよく考えれば序盤でメイドの格好したり、金的攻撃の威力を知らなかったり、分かるところはいくらでもあった筈なのに・・・
最初に女の子だと気がついたのは2巻P64で疫病神がざっちゃんに「女のお前に何が分かるッ!!」と吠えた時。
え〜・・・そこまで気がつきませんでしたとも。
座敷童子ってさ、男の子ってイメージがあった上に「ワンダフルデイズ」の座敷おやじもいますし。
さて、それはそうとしてざっちゃんの姉は弁財天。
これまた凄い個性の方。ギャグ漫画とは正反対です。
さらに、玉藻さんのお母さん「天狐」さんも登場!2話続けて妖怪たちの身内のお話です。んで、この2話の前のお話はクリスマスで・・・さっちゃんのお父さんが登場。
身内のお話3連チャン!でした。
そして・・・その事実さえもネタにします(P55)。
ホントに「話の順番」や「構成」さえもネタに使う。徹底した笑いの追及はこの作品ならでは。
最近のぱれっと作品ではまずお目にかかれない笑いのスペシャリストです。

さてさて、肝心の『凶星七番勝負』、最後の勝負は「障害物100km行軍」。
超が付く過酷なレースでございます。
当然、2話に渡ってお送りされます。
その苛酷な勝負の果てに・・・
それについての流石にネタバレは自重で。
好き放題やっている当サイトですが、ね。
ただ、勝敗云々ではないのがこの作品なのは皆さんもご承知の通り。
様々な仕掛けで読者を楽しませてくれます。
憶えていますか?1巻の感想の最後で私が何を書いたか。
・・・さらに引っ張ります、このネタ(P102)。
そして、雑誌連載ではさらに衝撃の最終回。
単行本では分からないかもしれませんが、実は最後の2話、ぱれっとの「同じ号」に2話掲載されたんです。
しかも、別々に。
前半はP107〜 「ざっちゃんとまた会う日まで」。
後半はP115〜 「ざっちゃんとエピローグ」。
「最終回とエピローグを告知せずに2話掲載するイタズラ」を先生がやりたいという事で、担当さんと相談して実現した「雑誌ならではのお遊び」でした。
こういう事が出来るって、ホントぱれっとって自由な雑誌なんだなぁ。そりゃ特例も特例だとは思いますが。
こういう発想が出来る先生も、それを実現させるために都合をつける一迅社様も素晴らしいです!
これは雑誌で読んでいた当時、「まさかこんな手を!」と衝撃を受けました。
最終回の寂しさなんか吹っ飛ぶくらいに。
なにせ「ざっちゃんとまた会う日まで」で綺麗に終了させて、「ざっちゃんとエピローグ」で再び怒涛の展開。
前半で完全に終わったモノと油断しておりました。
単行本派から雑誌購読派になっていた時期ですが、「雑誌を読むようになってよかった」と感じた「雑誌を読んでいる人だけが味わえるお楽しみ」でした。
そんな先生と一迅社様のタッグ、再び実現しないかなぁ・・・

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