連載誌の看板作品で、長期連載作。
それだけに絵柄も変化していっています。
雑誌やアニメで知った人は、この1巻を見て若干の違和感を抱くかもしれないですね。
最初はリコとマキの2人だけ。
マキの暴走とリコのツッコミという漫才のようなスタイルでした。
「藤姫様」と「ワイルドの君」というあだ名も当初から存在。
ただ、本人たちがそう呼ばれている事を知るのはまだずっと先のお話です。
そして、リコの「恋愛の達人と誤解されている」という設定もこの頃から・・・
その後、スズが登場。ここから話が次回へ続くという構成がよく出るようになります。
この作品はタイム作品としては珍しく「前回の続き」や、「以前の話を知っていることが前提」という話が多い作品。
ラブコメなら恋愛の進展があるので当然ですが、実は恋愛に関係ない話や設定もストーリーと共に変化していきます。
そのため読む際は必ず1巻から順番に!
基本メンバーはこの1巻である程度揃います。
「ある程度」というのは、中心となる藤女の生徒会執行部は揃うのですが、この作品は実はかなりの大所帯。
どこまでを「中心人物」や「レギュラー」とするのかによって変わってきます。
この巻ではその執行部の5人の物語。
当初は上記のようにリコとマキの2人だけ。
そこにスズが加わりますが、これは割とすんなりと。
その後さらにエノとサヨが加わるのですが、それに関するエピソードはかなりのロングスパン。
この1巻をフルに使って5人が結束していきます。
多くの作品では「初めからグループが出来ている」や「最初の1〜3話ほどでグループ結束」がほとんど。
この作品では5人のチームワークや仲を強く感じるのは、それに到るまでのエピソードがしっかりしているからだと思います。
あとがきでは「なっがい前フリ」とされていますが、「恋愛ラボ」としての活動が2巻からスタートするわけです♪
「ラブコメ」とはいえ最近の展開で「恋愛モノ」のイメージが強くなっているかもしれませんが、笑いが基本のこのサイトで紹介するだけあって「コメディ」の部分も強烈。
恋愛色が強くなるのはまだ先で、この頃は特にコメディ路線のネタがほとんどでした。
特にインパクトがあったのはP30の「白鳥を見習った動き」でしょうか。
個人的にこれには吹き出しました。
このネタでマキのイメージが完全に定着しました。
嗚呼・・・ズレ方が常識から逸脱している人なんだ・・・って。
この爆発的なズレやボケとシリアスな展開、そして恋愛話。
これらが見事に混ざり合って1つのハーモニーを奏でる。
特徴の多い作品ですが、その特徴がカオスにならずに調和している所に技術を感じます。