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わさんぼん 〜和菓子屋顛末記〜

作者 佐藤両々 わさんぼん 〜和菓子屋顛末記〜
作者HP 両々王国
掲載誌 まんがタイム(芳文社)
単行本数 6巻(連載終了)
Wikipedia わさんぼん〜和菓子屋顛末記〜
チャート
内容 和菓子職人見習いの「望月草太」は京都の老舗「桜屋」で住み込み修行を開始。
和菓子の奥深さ・繊細さ、京都特有の文化に触れながら和菓子職人として日々成長中。
京都という格式ある舞台と「アホの子」と称される分かりやすい主人公が見事なマッチをしており、堅過ぎず、かといって砕け過ぎもしない作品に仕上がっている。
題材が和菓子であり、登場人物の多くが京都人という非常に珍しい設定。
テーマも徹頭徹尾で和菓子であり、その中にラブコメが練り込まれている。
当初は男性キャラクターが多かったが、女性キャラクターが増加した(出番自体も増えた)ことによりラブコメテイストも加速している。
大きな特徴としてはやはり「和菓子」であり、そのヴィジュアルの美しさだけでなく、その繊細さや若い感性での創作和菓子なども登場する。
季節だけでなく時代の移り変わりと共に変化を続ける和菓子を描いた唯一無二の4コマ作品。

お笑い界の4コママスターである天津・向兄さんが頻繁に取り上げ、地上波(人志松本の○○な話)でもオススメとして紹介するなど、多くのファンを持つ作品。
感想 多分、最初に存在を知ったのは「人志松本の○○な話」で向兄さんが紹介した時です。
その後、なかなかタイミングが合わなくて・・・
で、ウチのサイトでアンケート企画「あなたが選ぶベスト4コマ」を行った時にこの作品に投票がありました。
やはりそれだけ人を惹きつけるものを思っている作品なんや・・・ということでネットで注文。
読んでみて納得。魅力的な作品です!
タイム作品らしく落ち着いた雰囲気があり(主人公は賑やかですが)、最初に抱いた印象は「バランスがいい」でした。
堅過ぎず、砕け過ぎず。
テーマの和菓子の様な上品なテイストでありながら、親しみやすさもあります。
後者は多分草太本人の存在と、その周囲で展開されるラブコメなんでしょうね。

他にない特徴が幾つもある作品ですが、「関西」ではなく「京都」を扱っているのも特徴。
他地方の方にはイマイチイメージが沸かないかもしれませんが、一口に「関西」と言っても大阪と京都は全くの異文化。
京都と言えば「格式」「歴史」、大阪と言えば「賑やか」「食と笑い」というイメージくらいはあるかもしれませんが、文化や風習、言葉そのものから全く違います。
この作品は完全に「京都!」です。私が今までに触れてきた4コマの中で断トツに。
言葉の裏を読みとらなければいけないあの京都です。創業二桁ではまだ「老舗」を名乗れないあの京都です。町が通りで碁盤の目になっていて初見だと100%迷子になるあの京都です。
先生ご自身は広島県出身で兵庫県在住なんだとか。
作中では「私自身が京都を判っていないので」「漫画の舞台は京都とは違うキョウトなんです」ということで地名には別の字を当ててらっしゃいますが、十二分に京都っぽい作品なのでは?
や、私も大阪生まれの大阪育ちなもので京都に詳しいわけではないですが(行く度に迷子になっていますし)。

ネタとしてはキャラクター達の個性的な言動がメイン。
特に考えが単純な上にそれが言葉や態度に出る草太を軸にしたもの。
また、当初は草太の「牡丹」への分かりやすい方想いが描かれていましたが、自称「萩(桜屋の長男で草太の兄弟子兼友人)」の許嫁の「咲良」の心の移り変わり、草太の製菓学校時代の同期生「明月」の登場などによってラブコメテイストが強くなってきています。
そういえば、なんだかんだでキャラクター数が多い作品なんですよね。
2巻のキャラクター紹介時点で10人。大所帯です。
キャラクターの増加につれてその恋愛関係に関する話が増加。
草太以外のメンバーでの複雑な恋愛模様も多く描かれるようになってきました。
歴史とか、跡取りとか、職人とか。単に恋愛するだけでも難儀に考えてまう人らが多いんですわ。

自分でもなぜだか分かりませんが、2巻P69の「食いしん坊男子」というフレーズがツボにハマって数分笑い転げました。
単行本 発売日 ・1巻:2010年8月7日
・2巻:2012年1月7日
・3巻:2013年4月6日
・4巻:2014年9月5日
・5巻:2017年10月7日
・6巻:2020年10月7日
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