映画『鯨が消えた入江』の感想です。【注意】・作品の内容に触れています。・これは感想です。レビューではありません。・自殺(自死)について書いているところがありますが、それらを肯定する意図はありません。#鑑賞記録 続きを読む・最近はいろいろあってあまり映画を見られていないのですが、偶然見られそうだったので見ました。ロードムービーらしいのですが、普段はホラーとアクション、ドキュメンタリーしか私は見ていないため大丈夫かですか?!と思いながら見ました。大丈夫なわけがあるか。・ロードムービーだと、『コンパートメントNo.6』『モンスーン』『燕 Yan』『ユンヒへ』『冬冬の夏休み』(『ユンヒへ』『冬冬の夏休み』がロードムービーかと言われると分かりませんが。)が好きです。あと『鵞鳥湖の夜』『ロングデイズジャーニー』あたりの雰囲気なら好みなので見られると思っていました。……大丈夫じゃないだろ!!!!あまりにもロードムービーを見慣れていない。・盗作から始まるのが印象が悪すぎますが、有名作家でないならば謝罪と適切な対応と、適度な期間を空けることでだいたい解決するのでやけに大事だな?と不思議でした。中盤から発生するイベントで「主人公はかなりの有名作家らしいな……?」で有名作家と分かりますが、もう少し早めにこの情報は提示してほしかったです。主人公のポジション(作中での立ち位置)が微妙に分かりにくかったので……(私の理解力が本当にないのが悪いのですが。)(作品発表などのイベントも、ある程度知名度があればするよな、どれだけ有名なのか具体的に想像しにくい、だったので。)・薬と酒はマジでヤバいのでやめろ。(昨今のオーバドーズ事情を考えると、それで死ねるのか……?と真剣に考えてしまい、カウンセリングに行くか、確実に死ねそうな自殺を考えませんか?になってしまい私の倫理が終わっていました。死ねそうな自殺なんて考えるな。生き延びることに意識を集中させて、社会のみんな生きるべきという圧力に押し負けて流されながら生きましょう。)(でも、自殺するな、死ぬなというのも、現在の社会規範の正しさを押しつけていたり、自分の願望を押しつけているだけでは……と最近思います。自分も死にたかったときがなくはなく、何とか自殺を先延ばしにして惰性で生きているだけな気もするタイプなので。辛くなったときは、アーバンギャルドの『ノンフィクションソング』を聞いているタイプです。)(死なないで、ではなくて、死ぬのを延期して少し一緒に遊んでくれませんか?といった言い回しが私は好きです。)(私は安楽死制度の導入は反対していますが、いろいろな死への向き合い方があって、「生きろ」と強引に押しつけるのではなく、柔軟かつ自由に生と死を考えて向き合える豊かさがある世界になってほしいです。)・最後の原稿です、のメモつきで送られてきた封筒を受け取った編集者の気持ちを考えると本当にかわいそうで……・台湾ってこんなに怖いところなんですか?!前に旅行に言ったときは全然安心していけた(都市の中心部だったからでは?)のに!?と驚きました。でも、台湾が舞台の『燕 Yan』もスリか置き引きの場面とかあったはずだと思い出しました。日本でも歌舞伎町とかそんなに治安がよくないらしいのでそういうのと、主人公が有名作家だったことの相乗効果なのでしょうか。(いやな相乗効果すぎる。)・なんか……BLみたい!!!予告もあらすじも知らずに見ているので頭が理解を拒む!!!!!いいのか?!どういうスタンスで見ればいいんだ……?(私は、何の情報もなしに、映画館でポスターを見てどの映画を見るのかを決めているときが多いです。その方が私は楽しいので。)というか、映像がかなり雰囲気重視なおしゃれめだったので、こういう鑑賞者が分かりやすく喜ぶカットを出すんだ〜!と驚きました。おしゃれめで意識高そうな割に、脳の報酬系を刺激してるな〜と思いました。(そういう言い方やめろ。)・服を脱いでいるのは……吐瀉物とかで服がだめになっていたからでは?それならセーフか?(何が?)・えっ、パンツを勝手に変えられている?もしかして警察沙汰ですか?・阿翔さんがめちゃくちゃ話し続けていて、「あの!ちょっと、話を聞いて……というか、説明して……待って!」になってよかったです。本当に誰?ここはどこ?なんでスマホを渡してくれないんですか?あと主人公は手持ちのお金がなぜないんですか?……あっ、盗られている?!なんで逃げ道を塞ぐんですか?!(自殺を防ぐためにしろ手段が強引すぎて「あ……死にます?」になります。実際に起きた旅行先での殺人事件が頭を過ぎる!!!)覚醒したてのミュウツーみたいな気持ちにさせるな。主人公がずっと体を隠し続けている行動が納得しかなくて好きです。相手も状況も分からないし、スマホも渡してくれないの、現代だと怖すぎる。(後半以降からは、「文通相手で憧れ(?)の作家で情緒が乱れたオタクの反応と近い……?」となりました。えっ?そうなんですか?分からないです。情緒がいくら乱れていても相手に情報を渡さないのは私にとって不信感が募るだけなので。)・初っ端から原付チェイスを始めるな。アクション映画か?(アクションはほぼないのですが。)危ないだろ!!!!この世界はアクション映画とは違って交通事故で死ぬ世界だぞ!!!!(アクション映画も交通事故はさすがに死ぬが、死なないことも多いので希望がある。希望……?)・ラブホに行かないで……マジでなんで行ったんですか?! ここだけ見終わったあとも謎すぎる。安いから?他にホテルがないから?なんか子どものときに遊び方が分からなかったバネみたいかおもちゃがあってテンションがあがりました。・ラブホのネーミングセンスってなんで独特なんですか?・壁ドンするな。怖いだろ。もしかして警察沙汰ですか?この距離感の近さは文化によるものなのか、舞台や文化的にもだめなのか、エンタメやギャグとして入れた場面なのか、BLの表現で鑑賞者を喜ばせるためなのか分からなくて疲れました。私は怖いですが……・しかし、匂いで(うっ……)とお互いになっているのが気の毒でした。悲しすぎますが、壁ドンしなければよかったので同情できないです。・一緒にシャワー?怖……・朝か夜か、どちらにお風呂に入った方がいいのかはかなり迷うな……と真剣に考えました。どちらでもいいが?・入り江というか、崖は自殺の名所ですからね!!!日本だと東尋坊はすごく怖かったのが印象的でした。私は飛び降りで死ぬのは怖いので無理ですが……・なんか……誤解されてる!!!!この場面は面白いのですが、こう……同性同士の恋愛にも、友情にも、ただのエンタメにも見えて「あ~見える人には同性愛に見えるかもしれないですね!そう見ても構いません。お好きにどうぞ」みたいな目配せな気がして私はあまり快くはなかったです。(考え過ぎなだけです。)そうやって同性愛を消費しているのに肯定的なんですか?しっかり客観的、批判的に考えてこの描写や表現を選んでいますか?と思うので……(とても私が言えた立場ではないのですが、『モンスーン』や『マネーボーイズ』、『老ナルキソス』あたりで、同性愛を取り囲む問題点や、描写を真摯にする、みたいな作品も増えていて、安心して見ていたらこれだったので驚きました。)(冷静に考えたら『戦場のメリークリスマス』『ランユー』などは真摯に表現しているため、やはり時代ではなく、製作陣がどれだけ考えているかだよな……と人間に失望しそうになりました。)・サーフィンするし、主人公も海辺でそれなりにチルっていて、陽キャ……と思いました。主人公はもう少しダウナー陰キャだと思っていたのですが……・そもそも主人公の天国に行きたい、が私にはよく分からなくて共感できませんでした。それは救いがほしいとか、現実の問題が解決してほしいと、どう違うんだろう?という気持ちです。(つまり、天国に行きたいがこの世でやりたいことをやってから死にたいの比喩なのか、信仰的な意味合いでの天国に行きたい=死なのか、現実から逃れるために死を望んでいるがもし死後に行くのなら天国がいい、といった感情のどんなものなのかが分からなかったです。)私は死後の世界を信じているわけでも、天国も地獄もあるか分かりません(ある信仰もあるのを知っているし、ない信仰もあるのを知っているし、私にとってはあってもいいし、なくてもいいなくらいです。ただ、現代の技術では死後に人の思考などがどうなるか分からないため、「死後の世界や天国、地獄などの有無は分からないが、私にとっては様々な理由で否定するほどでもない、あいまいなもの」と保留しています。)が、天国に行きたいと思ったことはありません。天国に行きたい、この思いこそ天国には相応しくないように思えるからです。(天国に行って何がしたいんだ?楽をしたい?怠惰になりたい?欲求を満たしたい?それこそ、不敬で信心と程遠い、みたいな考えです。『ヘルシング』のアーカードが願うな、祈れというのに近い?気もします。)あと、天国か……みたいな……どうにも魅力的には思えません。地獄とかの方が私は気持ちが落ち着くというか、自分のような怠惰で愚かな社会不適合者は、罰せられるべき、と思っているかもしれませんし、私は自分の頭の中で地獄は発生していると思っているために、天国か……みたいにどうにも価値を見いだせないだけなのかもしれません。・そもそも主人公を阿翔さんが騙す目的や意図が分からなくて、阿翔さんの行動の優先順位、何に評価を置いて行動しているのか、目的をずっと考えしまいました。(たぶん、そのあたりばったりで、考えなしに行動しているのでしょうが、それだとあまりにも阿翔さんに失礼なので。もう少し感情への導線があると私のような頭空っぽで機微とかが分からない社会不適合者には助かります。)騙した理由ですが、①②③どれもしっくりこないです。①主人公が自殺したいと何となく分かっており、気晴らしをさせたかった。②鯨が消えた入江をどうしようと悩んでいたため、時間稼ぎ。(その割に信頼も失うし、もうつきまとうなと言われて離れられるリスクもあるんだよな……)③自分が文通相手だと言うか悩んでいたため、時間稼ぎ。(同上のリスクがあって、これを選ぶか?と疑問がある。)・温泉、ロブスター!イエーイ!!!!いいな〜!!!と思っていたら、反社会的勢力が出てきたうえ棒を持っていて「おっ、結構殺傷能力あるやつ持ってますね。全力で頭を殴ったら死にますからね!!!!……死?」になってしまい、終盤まで「あの、死ぬ可能性があるイベントの謎が残っているんですが」とかなりノイズになりました。説明して!!!!口を塞がないで!!!!怖いよ!!!!ホウレンソウ!!!!・ここでホウレンソウをしていたら……・料理を置いていく……?!(食いしん坊すぎる感想。)・車から煙が出ていて一発で素人では直せないのが分かってよかったです。・むっ、犬!かわいい!!!!!この毛並みはおそらく人間に世話をしてもらっている=飼い犬か、外飼!つまり、近くに人家が!!!と思っていたら違っていて「すみません……」となりました。ミステリとかスリラーの目線で見るな。・滝だ!入ろうぜ!なのが陽キャすぎて泣きそうでした。死ぬかもしれないのでだめです。せめてライフジャケットを装備して……(誰?)・怒りとかを大声に出して発散する時点で陽キャで泣いてしまう。陰キャは文字とかぐちゃぐちゃ書くとかなので……あと全然関係ない歌を歌うとか、ひたすら寝るとか、ゲームするとか……生と死について延々と考えて脳を疲弊させて、いったん死ぬことへの決定を先延ばしにさせるとか……・石頭(アタマ・コンクリ)の笑いどころが分からなくて、『ドラゴン✕マッハ!』の特典映像にある削除シーンを見たときの気持ちだ!と思いました。・粽がおいしいから食べなよからのアナフィラキシーショックがヤバすぎて、「これ……えっ?!あの大丈夫ではないと思いますけど……」となりました。傍目から見ていても怖いし、そんなに阿翔さんは精神的にかなりきたのでは……私はアレルギーがあまりないのですが、知り合いに重い方もいてここの表現はアレルギーを軽視させないか不安になりました。絵面やカットはかっこいいのに、こういう細かい不安(ストレス)の積み重ねがかなりあって総合的に疲れる作品ですごいと思います。(よくない意味です。)・あと普通にここで真相というか、自分が誰かを話していたら……と思います。なぜ隠すのかが私には分からないです。(私にとっては、情報を開示する=自分の弱みを晒す=相手を信頼しています、の意なので、信頼していれば教えてもいいのでは?主人公に見放されるのがいやだった?といろいろ考えましたが、他人の心理はよく分からない……となっています。人の機微に疎すぎる私には早すぎる作品だな……と思いました。)・主人公の死ぬために来たって全然フォローになっていないし、そんなに死にたいなら真剣に死と向き合え。と思いました。死にたくないと、死にたい、は両立するからこそ、悩むし、自分が変なんじゃないのか、勇気が出なくて死ねないだけなのでは……とめちゃくちゃ落ち込む気持ちは分かりますが……死にたいんじゃなくて、気晴らしがしたいんじゃないんですか?辛い現実から目を背けたいんじゃないんですか?なら、死にたいとか言わずに好きなことをして気が晴れるまで遊ぶか、盗作問題を真剣に解決するように向けて動いてください。それかカウンセリングに行ってください。死ぬことは取り返しがつかないため、私はできるだけ自分が死なないように希死念慮に向き合ったり、なだめたり、ごまかしたりしていますが、いろんな人がいろんな死との向き合い方をして、悩んで、自ら死ぬのはできるだけ遠ざけてほしいなと思います。・花火大会〜!!?!!??帰らせて…………………………(私が陰キャすぎて耐えられなくなる。)主人公が意外と花火大会に乗り気で、「陰キャだと信じていたのに(勝手な印象です。すみません。)……」と思いました。・仲良く三人で砂浜でずっと遊んでいてください……・事故とはいえキスしていいんですか?えっ……?あ…………?(キモオタの私でも、さすがにこれを萌えとか言ったらグロテスクすぎると思いました。)(友情とも、同性同士の恋愛・性愛とも取れる出来事を都合よくBLとして消費していませんか?とさすがに頭を抱えました。)この作品全体の作りとして、見ている時間という負担(ストレス)に対し、発展する人間関係と判明していく事実を報酬にしているのですが、その報酬に「友情とも、同性同士の恋愛・性愛とも取れる出来事を明確にせず、BLとして消費もできる」描写があることで、鑑賞者はこういうので喜ぶんだよな?と目配せされているような印象を受けました。こうした印象は、少なくとも私にとってあまり楽しくはありませんでした。快くはないです。(私が言っても「自分みたいなキモオタが言ったところで、自分はいったいどういうスタンスで言っているんだ?」と思うと同時に、自身への嫌悪感や矛盾していることを考えていることへの愚かさを感じますが、公に向かって公開する作品には一定の倫理や規範とか、安心して見られるはずだ、いろんな立場の人々に考慮して作られているはずだ、みたいな理想が私にはあるので、このような感想になりました。理想を捨てろ、他人に期待するな、と思います。)あと喧嘩するなら、マジで喧嘩しろ。性行為の隠喩みたいな喧嘩はやめてください。(これはそう感じる私が悪いのですが……)(お前はもうアクション映画だけを見てろ。)喧嘩は目、耳への攻撃ありですか?金的ありですか?武器あり?不意打ちあり?(もうそれは喧嘩ではなくて殺し合いですが、喧嘩といってもほぼ殺し合いみたいなときもあるためです。)主人公は組み倒されても脚がガラ空きなので、膝を曲げて何とか距離取って反撃する気概くらい見せてくれません?(アクションキモオタクのクソ気持ち悪い感想です。でも、喧嘩は真剣勝負なので。まさかお遊びとかじゃれあいのことを言っていませんよね?)・私は花火がかなり怖いというか、なぜか見ていてもどうにも楽しいとか、美しいとは思えなくて、謎です。これをきれいだと思う人が世の中には大勢いるらしい……?トーチトワリングはめちゃくちゃ楽しそう!!!!・主人公と阿翔さんが会えなかったことで、「あっ阿翔さんは亡くなってそう!『ランユー』もこんな感じだったし、ここで亡くなっていたら物語としてはダメージが一番くる!!!ここで死ぬと一番印象的で物語的にも盛り上がる!!!」と最悪の見方をしていましたが、あたっていて「あたらなくていいんだよ……」と思いました。・盗作問題が盗作ではなくて、同じ題材を書いていたからと分かる展開は好きですが……あの……郵便箱がトンデモマジックアイテムで「推理小説の推理パートで、今まで何も示唆されていなかったタイムマシンが出てきた気持ちにさせるな」と思いました。SF、ファンタジーの雰囲気を事前に出しておいてくれ!!!!!阿翔さんが広東語も分かる、匂わせぶりな場面が多い、文通相手からもらった手紙がどこか時代(というか、相手が大人ではなさそう、貧しそうな印象を受ける。)を感じる、盗作問題などの伏線回収はかなり面白いのですが。・阿翔さんがあそこまで執拗に追いかけられていたのも、反社会的勢力が主人公をどう利用しようとしていたのかも分からず、何か細かいところの描写や事実関係が気になってノイズだったのが気になりました。『コンパートメントNo.6』『モンスーン』あたりは、登場人物の背景や心情を匂わせたり、説明をさらりと入れたりして、共感させると同時に想像を掻き立てさせてくれるのでよかったのですが、この作品は匂わせて風呂敷を広げる割に想像する手がかりが少ないというか……意味深なところを探る手がかりがなくて「あれ何?」というノイズになっている気がします。(反社会的勢力としては、メリットのない無駄な殺しとか暴力とか犯罪をしないよな……でも、そういう損得感覚がない人はプライドとかが理由で殺しても得のない人を殺害したりするので分からないな……実際の事件もいろいろあるからな……と真剣に考えてしまいました。もしや阿翔さんは反社会的勢力のお金でも奪って逃げたんですか?(ひどい想像するな。))・阿翔さんの部屋の地図にある絵が独特でよかったです。・あの郵便箱、マジで何……?私はSCPと考えることにしました。(手がかりが少なすぎるので思考を停止して既存の作品の概念を借りています。)・郵便箱を持ち運ぶ主人公は少し……ギャグでは?になりどう見たらいいのか分からなかったです。・手紙は過去に送られる=過去が変わるのは分かるけど、だったら主人公にも何かしらの変化があるはずでは……?郵便箱の所有者の記憶には影響しない?どういう法則……?とめちゃくちゃ考えてしまいました。あれ何ですか?・レスリー・チャンさんが生きていた世界線が発生するのも、世界が変わったことが分かりやすくも複雑でした。彼本人の意思とか(人に意思があるかはともかくです。意思とはいうが、結局様々な欲求のせめぎあいの結果下した判断を私たちは意思と認識しているだけでは?と思うためです。)を無視しているというか、死者にまつわる出来事を都合よく物語で消費していいのか……みたいなことを考えてしまいました。・電車で粽を唐突にくれる人はちょっと怖いかもしれないです。・主人公以外はどうやら記憶をリセットされている(またはその人の存在する世界線や現象自体が変わって、なかったことになっている?)ようですが……?えっ……本当にあの郵便箱は何〜〜〜???!!!!というか、阿翔さんはかつてであった阿翔さんなのか?主人公が勝手に同一視しているだけでは?などなど考えてしまいました。肉体に彼を見出すか、記憶などの精神に彼を見出すか、肉体と脳から出力される現象に彼を見出すかは自由ですが、かつて出会った阿翔さんはいない気もして、複雑です。・郵便箱!!マジで何……?!『温泉シャーク』の方がしっかり説明があったな……何なんだよ。(しかし、解明を始める物語だと『聖地X』になってしまう。)・あと主人公もかなり自分の周りのことや、影響を作品に落とし込むタイプなんだと思って、自分を切り売りしていないか少し心配になりました。(私は、作品は作品と割り切るか、思索として書いているか、エンタメとして夢中になって書く作家さんが好みであるところも理由にあるかもしれません。)・周囲の人がよかった〜みたいな雰囲気で、泣いている?方もいるような雰囲気で、私だけ(あの郵便箱は何?!?!!!法則が分からない!!!『ゴーストキラー』で幽霊の法則みたいなのを探ってるわけじゃないんですけど、何でこんなことを考える羽目になっているんだよ!!!???あと過去を変えたことによる影響は大丈夫なの??!?!)となりました。あまりにも社会不適合者すぎる。道徳の教科書を読み直せ。・『無敵のドラゴン』とか見て脳をむちゃくちゃにしてリセットしたい……と思いました。めちゃくちゃトンチキ香港映画かアクション映画か、低予算のめちゃくちゃホラー映画が見たい!!!!(お前はもうそれだけ見てろ。)それか真面目なドキュメンタリーを見て少し真面目なことを考えて社会に属するふりをしたくなりました。こういうBLとも取れる表現で、鑑賞者のエンタメを消費して喜ぶ脳を刺激する作品によって「きれいな物語でしょう?あいまいな表現を自分にとって都合よく解釈して消費して満足したでしょう?」とされたいわけではないので。・乙一『失はれる物語』の『Calling You』と少し似た要素がある(直接会わない媒体を介した過去の人物とのやり取り、相手を喪うなど)なと思いましたが、私は『Calling You』がとても好きなのでどこでこの差が……と思いました。『Calling You』は最初からギミックが説明されて、それが物語のキーになるかつ、登場人物たちの心の揺れ動きとしても重要になる要素で、縦軸と横軸の糸としてしっかり組み合っているんだよな……『鯨が消えた入江』は郵便箱がどうにも都合のいいアイテムとして最後に使われているように見えるのと、主人公の葛藤もあまり表現されずに「阿翔を生かしたい(=それがいいことか、悪いことか、会えたとして過去が変わった影響があるのか、ということも何も考えられていないのでは?と思ってしまう。)」だけで突き進んでいるように見えて、ここに共感できなかったり、主人公はもう少し考えないのかと感じてしまったりすると、一気に物語がSF、ファンタジー、悪く言うとご都合主義が強く感じられてしまったのかもしれません。畳む 鑑賞記録 2025/09/12(Fri) 20:01:00
【注意】
・作品の内容に触れています。
・これは感想です。レビューではありません。
・自殺(自死)について書いているところがありますが、それらを肯定する意図はありません。
#鑑賞記録
・最近はいろいろあってあまり映画を見られていないのですが、偶然見られそうだったので見ました。
ロードムービーらしいのですが、普段はホラーとアクション、ドキュメンタリーしか私は見ていないため大丈夫かですか?!と思いながら見ました。
大丈夫なわけがあるか。
・ロードムービーだと、『コンパートメントNo.6』『モンスーン』『燕 Yan』『ユンヒへ』『冬冬の夏休み』(『ユンヒへ』『冬冬の夏休み』がロードムービーかと言われると分かりませんが。)が好きです。
あと『鵞鳥湖の夜』『ロングデイズジャーニー』あたりの雰囲気なら好みなので見られると思っていました。
……大丈夫じゃないだろ!!!!あまりにもロードムービーを見慣れていない。
・盗作から始まるのが印象が悪すぎますが、有名作家でないならば謝罪と適切な対応と、適度な期間を空けることでだいたい解決するのでやけに大事だな?と不思議でした。
中盤から発生するイベントで「主人公はかなりの有名作家らしいな……?」で有名作家と分かりますが、もう少し早めにこの情報は提示してほしかったです。
主人公のポジション(作中での立ち位置)が微妙に分かりにくかったので……
(私の理解力が本当にないのが悪いのですが。)(作品発表などのイベントも、ある程度知名度があればするよな、どれだけ有名なのか具体的に想像しにくい、だったので。)
・薬と酒はマジでヤバいのでやめろ。
(昨今のオーバドーズ事情を考えると、それで死ねるのか……?と真剣に考えてしまい、カウンセリングに行くか、確実に死ねそうな自殺を考えませんか?になってしまい私の倫理が終わっていました。死ねそうな自殺なんて考えるな。生き延びることに意識を集中させて、社会のみんな生きるべきという圧力に押し負けて流されながら生きましょう。)
(でも、自殺するな、死ぬなというのも、現在の社会規範の正しさを押しつけていたり、自分の願望を押しつけているだけでは……と最近思います。自分も死にたかったときがなくはなく、何とか自殺を先延ばしにして惰性で生きているだけな気もするタイプなので。辛くなったときは、アーバンギャルドの『ノンフィクションソング』を聞いているタイプです。)
(死なないで、ではなくて、死ぬのを延期して少し一緒に遊んでくれませんか?といった言い回しが私は好きです。)
(私は安楽死制度の導入は反対していますが、いろいろな死への向き合い方があって、「生きろ」と強引に押しつけるのではなく、柔軟かつ自由に生と死を考えて向き合える豊かさがある世界になってほしいです。)
・最後の原稿です、のメモつきで送られてきた封筒を受け取った編集者の気持ちを考えると本当にかわいそうで……
・台湾ってこんなに怖いところなんですか?!前に旅行に言ったときは全然安心していけた(都市の中心部だったからでは?)のに!?と驚きました。
でも、台湾が舞台の『燕 Yan』もスリか置き引きの場面とかあったはずだと思い出しました。日本でも歌舞伎町とかそんなに治安がよくないらしいのでそういうのと、主人公が有名作家だったことの相乗効果なのでしょうか。(いやな相乗効果すぎる。)
・なんか……BLみたい!!!予告もあらすじも知らずに見ているので頭が理解を拒む!!!!!いいのか?!どういうスタンスで見ればいいんだ……?
(私は、何の情報もなしに、映画館でポスターを見てどの映画を見るのかを決めているときが多いです。その方が私は楽しいので。)
というか、映像がかなり雰囲気重視なおしゃれめだったので、こういう鑑賞者が分かりやすく喜ぶカットを出すんだ〜!と驚きました。
おしゃれめで意識高そうな割に、脳の報酬系を刺激してるな〜と思いました。
(そういう言い方やめろ。)
・服を脱いでいるのは……吐瀉物とかで服がだめになっていたからでは?それならセーフか?(何が?)
・えっ、パンツを勝手に変えられている?もしかして警察沙汰ですか?
・阿翔さんがめちゃくちゃ話し続けていて、「あの!ちょっと、話を聞いて……というか、説明して……待って!」になってよかったです。本当に誰?ここはどこ?なんでスマホを渡してくれないんですか?あと主人公は手持ちのお金がなぜないんですか?……あっ、盗られている?!なんで逃げ道を塞ぐんですか?!(自殺を防ぐためにしろ手段が強引すぎて「あ……死にます?」になります。実際に起きた旅行先での殺人事件が頭を過ぎる!!!)
覚醒したてのミュウツーみたいな気持ちにさせるな。
主人公がずっと体を隠し続けている行動が納得しかなくて好きです。相手も状況も分からないし、スマホも渡してくれないの、現代だと怖すぎる。
(後半以降からは、「文通相手で憧れ(?)の作家で情緒が乱れたオタクの反応と近い……?」となりました。えっ?そうなんですか?分からないです。情緒がいくら乱れていても相手に情報を渡さないのは私にとって不信感が募るだけなので。)
・初っ端から原付チェイスを始めるな。
アクション映画か?(アクションはほぼないのですが。)
危ないだろ!!!!この世界はアクション映画とは違って交通事故で死ぬ世界だぞ!!!!
(アクション映画も交通事故はさすがに死ぬが、死なないことも多いので希望がある。希望……?)
・ラブホに行かないで……マジでなんで行ったんですか?! ここだけ見終わったあとも謎すぎる。
安いから?他にホテルがないから?
なんか子どものときに遊び方が分からなかったバネみたいかおもちゃがあってテンションがあがりました。
・ラブホのネーミングセンスってなんで独特なんですか?
・壁ドンするな。怖いだろ。もしかして警察沙汰ですか?
この距離感の近さは文化によるものなのか、舞台や文化的にもだめなのか、エンタメやギャグとして入れた場面なのか、BLの表現で鑑賞者を喜ばせるためなのか分からなくて疲れました。
私は怖いですが……
・しかし、匂いで(うっ……)とお互いになっているのが気の毒でした。悲しすぎますが、壁ドンしなければよかったので同情できないです。
・一緒にシャワー?怖……
・朝か夜か、どちらにお風呂に入った方がいいのかはかなり迷うな……と真剣に考えました。
どちらでもいいが?
・入り江というか、崖は自殺の名所ですからね!!!日本だと東尋坊はすごく怖かったのが印象的でした。
私は飛び降りで死ぬのは怖いので無理ですが……
・なんか……誤解されてる!!!!
この場面は面白いのですが、こう……同性同士の恋愛にも、友情にも、ただのエンタメにも見えて「あ~見える人には同性愛に見えるかもしれないですね!そう見ても構いません。お好きにどうぞ」みたいな目配せな気がして私はあまり快くはなかったです。(考え過ぎなだけです。)
そうやって同性愛を消費しているのに肯定的なんですか?しっかり客観的、批判的に考えてこの描写や表現を選んでいますか?と思うので……
(とても私が言えた立場ではないのですが、『モンスーン』や『マネーボーイズ』、『老ナルキソス』あたりで、同性愛を取り囲む問題点や、描写を真摯にする、みたいな作品も増えていて、安心して見ていたらこれだったので驚きました。)
(冷静に考えたら『戦場のメリークリスマス』『ランユー』などは真摯に表現しているため、やはり時代ではなく、製作陣がどれだけ考えているかだよな……と人間に失望しそうになりました。)
・サーフィンするし、主人公も海辺でそれなりにチルっていて、陽キャ……と思いました。
主人公はもう少しダウナー陰キャだと思っていたのですが……
・そもそも主人公の天国に行きたい、が私にはよく分からなくて共感できませんでした。
それは救いがほしいとか、現実の問題が解決してほしいと、どう違うんだろう?という気持ちです。
(つまり、天国に行きたいがこの世でやりたいことをやってから死にたいの比喩なのか、信仰的な意味合いでの天国に行きたい=死なのか、現実から逃れるために死を望んでいるがもし死後に行くのなら天国がいい、といった感情のどんなものなのかが分からなかったです。)
私は死後の世界を信じているわけでも、天国も地獄もあるか分かりません(ある信仰もあるのを知っているし、ない信仰もあるのを知っているし、私にとってはあってもいいし、なくてもいいなくらいです。ただ、現代の技術では死後に人の思考などがどうなるか分からないため、「死後の世界や天国、地獄などの有無は分からないが、私にとっては様々な理由で否定するほどでもない、あいまいなもの」と保留しています。)が、天国に行きたいと思ったことはありません。
天国に行きたい、この思いこそ天国には相応しくないように思えるからです。(天国に行って何がしたいんだ?楽をしたい?怠惰になりたい?欲求を満たしたい?それこそ、不敬で信心と程遠い、みたいな考えです。『ヘルシング』のアーカードが願うな、祈れというのに近い?気もします。)
あと、天国か……みたいな……どうにも魅力的には思えません。
地獄とかの方が私は気持ちが落ち着くというか、自分のような怠惰で愚かな社会不適合者は、罰せられるべき、と思っているかもしれませんし、私は自分の頭の中で地獄は発生していると思っているために、天国か……みたいにどうにも価値を見いだせないだけなのかもしれません。
・そもそも主人公を阿翔さんが騙す目的や意図が分からなくて、阿翔さんの行動の優先順位、何に評価を置いて行動しているのか、目的をずっと考えしまいました。(たぶん、そのあたりばったりで、考えなしに行動しているのでしょうが、それだとあまりにも阿翔さんに失礼なので。もう少し感情への導線があると私のような頭空っぽで機微とかが分からない社会不適合者には助かります。)
騙した理由ですが、①②③どれもしっくりこないです。
①主人公が自殺したいと何となく分かっており、気晴らしをさせたかった。
②鯨が消えた入江をどうしようと悩んでいたため、時間稼ぎ。(その割に信頼も失うし、もうつきまとうなと言われて離れられるリスクもあるんだよな……)
③自分が文通相手だと言うか悩んでいたため、時間稼ぎ。(同上のリスクがあって、これを選ぶか?と疑問がある。)
・温泉、ロブスター!イエーイ!!!!いいな〜!!!と思っていたら、反社会的勢力が出てきたうえ棒を持っていて「おっ、結構殺傷能力あるやつ持ってますね。全力で頭を殴ったら死にますからね!!!!……死?」になってしまい、終盤まで「あの、死ぬ可能性があるイベントの謎が残っているんですが」とかなりノイズになりました。
説明して!!!!口を塞がないで!!!!怖いよ!!!!ホウレンソウ!!!!
・ここでホウレンソウをしていたら……
・料理を置いていく……?!(食いしん坊すぎる感想。)
・車から煙が出ていて一発で素人では直せないのが分かってよかったです。
・むっ、犬!かわいい!!!!!
この毛並みはおそらく人間に世話をしてもらっている=飼い犬か、外飼!つまり、近くに人家が!!!と思っていたら違っていて「すみません……」となりました。
ミステリとかスリラーの目線で見るな。
・滝だ!入ろうぜ!なのが陽キャすぎて泣きそうでした。
死ぬかもしれないのでだめです。せめてライフジャケットを装備して……(誰?)
・怒りとかを大声に出して発散する時点で陽キャで泣いてしまう。
陰キャは文字とかぐちゃぐちゃ書くとかなので……
あと全然関係ない歌を歌うとか、ひたすら寝るとか、ゲームするとか……生と死について延々と考えて脳を疲弊させて、いったん死ぬことへの決定を先延ばしにさせるとか……
・石頭(アタマ・コンクリ)の笑いどころが分からなくて、『ドラゴン✕マッハ!』の特典映像にある削除シーンを見たときの気持ちだ!と思いました。
・粽がおいしいから食べなよからのアナフィラキシーショックがヤバすぎて、「これ……えっ?!あの大丈夫ではないと思いますけど……」となりました。
傍目から見ていても怖いし、そんなに阿翔さんは精神的にかなりきたのでは……
私はアレルギーがあまりないのですが、知り合いに重い方もいてここの表現はアレルギーを軽視させないか不安になりました。
絵面やカットはかっこいいのに、こういう細かい不安(ストレス)の積み重ねがかなりあって総合的に疲れる作品ですごいと思います。(よくない意味です。)
・あと普通にここで真相というか、自分が誰かを話していたら……と思います。
なぜ隠すのかが私には分からないです。
(私にとっては、情報を開示する=自分の弱みを晒す=相手を信頼しています、の意なので、信頼していれば教えてもいいのでは?主人公に見放されるのがいやだった?といろいろ考えましたが、他人の心理はよく分からない……となっています。人の機微に疎すぎる私には早すぎる作品だな……と思いました。)
・主人公の死ぬために来たって全然フォローになっていないし、そんなに死にたいなら真剣に死と向き合え。と思いました。死にたくないと、死にたい、は両立するからこそ、悩むし、自分が変なんじゃないのか、勇気が出なくて死ねないだけなのでは……とめちゃくちゃ落ち込む気持ちは分かりますが……
死にたいんじゃなくて、気晴らしがしたいんじゃないんですか?
辛い現実から目を背けたいんじゃないんですか?
なら、死にたいとか言わずに好きなことをして気が晴れるまで遊ぶか、盗作問題を真剣に解決するように向けて動いてください。
それかカウンセリングに行ってください。
死ぬことは取り返しがつかないため、私はできるだけ自分が死なないように希死念慮に向き合ったり、なだめたり、ごまかしたりしていますが、いろんな人がいろんな死との向き合い方をして、悩んで、自ら死ぬのはできるだけ遠ざけてほしいなと思います。
・花火大会〜!!?!!??
帰らせて…………………………(私が陰キャすぎて耐えられなくなる。)
主人公が意外と花火大会に乗り気で、「陰キャだと信じていたのに(勝手な印象です。すみません。)……」と思いました。
・仲良く三人で砂浜でずっと遊んでいてください……
・事故とはいえキスしていいんですか?
えっ……?あ…………?
(キモオタの私でも、さすがにこれを萌えとか言ったらグロテスクすぎると思いました。)
(友情とも、同性同士の恋愛・性愛とも取れる出来事を都合よくBLとして消費していませんか?とさすがに頭を抱えました。)
この作品全体の作りとして、見ている時間という負担(ストレス)に対し、発展する人間関係と判明していく事実を報酬にしているのですが、その報酬に「友情とも、同性同士の恋愛・性愛とも取れる出来事を明確にせず、BLとして消費もできる」描写があることで、鑑賞者はこういうので喜ぶんだよな?と目配せされているような印象を受けました。
こうした印象は、少なくとも私にとってあまり楽しくはありませんでした。快くはないです。
(私が言っても「自分みたいなキモオタが言ったところで、自分はいったいどういうスタンスで言っているんだ?」と思うと同時に、自身への嫌悪感や矛盾していることを考えていることへの愚かさを感じますが、公に向かって公開する作品には一定の倫理や規範とか、安心して見られるはずだ、いろんな立場の人々に考慮して作られているはずだ、みたいな理想が私にはあるので、このような感想になりました。理想を捨てろ、他人に期待するな、と思います。)
あと喧嘩するなら、マジで喧嘩しろ。
性行為の隠喩みたいな喧嘩はやめてください。(これはそう感じる私が悪いのですが……)
(お前はもうアクション映画だけを見てろ。)
喧嘩は目、耳への攻撃ありですか?金的ありですか?
武器あり?不意打ちあり?(もうそれは喧嘩ではなくて殺し合いですが、喧嘩といってもほぼ殺し合いみたいなときもあるためです。)
主人公は組み倒されても脚がガラ空きなので、膝を曲げて何とか距離取って反撃する気概くらい見せてくれません?(アクションキモオタクのクソ気持ち悪い感想です。でも、喧嘩は真剣勝負なので。まさかお遊びとかじゃれあいのことを言っていませんよね?)
・私は花火がかなり怖いというか、なぜか見ていてもどうにも楽しいとか、美しいとは思えなくて、謎です。
これをきれいだと思う人が世の中には大勢いるらしい……?
トーチトワリングはめちゃくちゃ楽しそう!!!!
・主人公と阿翔さんが会えなかったことで、「あっ阿翔さんは亡くなってそう!『ランユー』もこんな感じだったし、ここで亡くなっていたら物語としてはダメージが一番くる!!!ここで死ぬと一番印象的で物語的にも盛り上がる!!!」と最悪の見方をしていましたが、あたっていて「あたらなくていいんだよ……」と思いました。
・盗作問題が盗作ではなくて、同じ題材を書いていたからと分かる展開は好きですが……あの……
郵便箱がトンデモマジックアイテムで「推理小説の推理パートで、今まで何も示唆されていなかったタイムマシンが出てきた気持ちにさせるな」と思いました。
SF、ファンタジーの雰囲気を事前に出しておいてくれ!!!!!
阿翔さんが広東語も分かる、匂わせぶりな場面が多い、文通相手からもらった手紙がどこか時代(というか、相手が大人ではなさそう、貧しそうな印象を受ける。)を感じる、盗作問題などの伏線回収はかなり面白いのですが。
・阿翔さんがあそこまで執拗に追いかけられていたのも、反社会的勢力が主人公をどう利用しようとしていたのかも分からず、何か細かいところの描写や事実関係が気になってノイズだったのが気になりました。
『コンパートメントNo.6』『モンスーン』あたりは、登場人物の背景や心情を匂わせたり、説明をさらりと入れたりして、共感させると同時に想像を掻き立てさせてくれるのでよかったのですが、この作品は匂わせて風呂敷を広げる割に想像する手がかりが少ないというか……意味深なところを探る手がかりがなくて「あれ何?」というノイズになっている気がします。
(反社会的勢力としては、メリットのない無駄な殺しとか暴力とか犯罪をしないよな……でも、そういう損得感覚がない人はプライドとかが理由で殺しても得のない人を殺害したりするので分からないな……実際の事件もいろいろあるからな……と真剣に考えてしまいました。もしや阿翔さんは反社会的勢力のお金でも奪って逃げたんですか?(ひどい想像するな。))
・阿翔さんの部屋の地図にある絵が独特でよかったです。
・あの郵便箱、マジで何……?
私はSCPと考えることにしました。
(手がかりが少なすぎるので思考を停止して既存の作品の概念を借りています。)
・郵便箱を持ち運ぶ主人公は少し……ギャグでは?になりどう見たらいいのか分からなかったです。
・手紙は過去に送られる=過去が変わるのは分かるけど、だったら主人公にも何かしらの変化があるはずでは……?郵便箱の所有者の記憶には影響しない?どういう法則……?とめちゃくちゃ考えてしまいました。
あれ何ですか?
・レスリー・チャンさんが生きていた世界線が発生するのも、世界が変わったことが分かりやすくも複雑でした。
彼本人の意思とか(人に意思があるかはともかくです。意思とはいうが、結局様々な欲求のせめぎあいの結果下した判断を私たちは意思と認識しているだけでは?と思うためです。)を無視しているというか、死者にまつわる出来事を都合よく物語で消費していいのか……みたいなことを考えてしまいました。
・電車で粽を唐突にくれる人はちょっと怖いかもしれないです。
・主人公以外はどうやら記憶をリセットされている(またはその人の存在する世界線や現象自体が変わって、なかったことになっている?)ようですが……?えっ……本当にあの郵便箱は何〜〜〜???!!!!
というか、阿翔さんはかつてであった阿翔さんなのか?主人公が勝手に同一視しているだけでは?
などなど考えてしまいました。
肉体に彼を見出すか、記憶などの精神に彼を見出すか、肉体と脳から出力される現象に彼を見出すかは自由ですが、かつて出会った阿翔さんはいない気もして、複雑です。
・郵便箱!!マジで何……?!
『温泉シャーク』の方がしっかり説明があったな……何なんだよ。
(しかし、解明を始める物語だと『聖地X』になってしまう。)
・あと主人公もかなり自分の周りのことや、影響を作品に落とし込むタイプなんだと思って、自分を切り売りしていないか少し心配になりました。
(私は、作品は作品と割り切るか、思索として書いているか、エンタメとして夢中になって書く作家さんが好みであるところも理由にあるかもしれません。)
・周囲の人がよかった〜みたいな雰囲気で、泣いている?方もいるような雰囲気で、私だけ(あの郵便箱は何?!?!!!法則が分からない!!!『ゴーストキラー』で幽霊の法則みたいなのを探ってるわけじゃないんですけど、何でこんなことを考える羽目になっているんだよ!!!???あと過去を変えたことによる影響は大丈夫なの??!?!)となりました。
あまりにも社会不適合者すぎる。
道徳の教科書を読み直せ。
・『無敵のドラゴン』とか見て脳をむちゃくちゃにしてリセットしたい……と思いました。
めちゃくちゃトンチキ香港映画かアクション映画か、低予算のめちゃくちゃホラー映画が見たい!!!!
(お前はもうそれだけ見てろ。)
それか真面目なドキュメンタリーを見て少し真面目なことを考えて社会に属するふりをしたくなりました。
こういうBLとも取れる表現で、鑑賞者のエンタメを消費して喜ぶ脳を刺激する作品によって「きれいな物語でしょう?あいまいな表現を自分にとって都合よく解釈して消費して満足したでしょう?」とされたいわけではないので。
・乙一『失はれる物語』の『Calling You』と少し似た要素がある(直接会わない媒体を介した過去の人物とのやり取り、相手を喪うなど)なと思いましたが、私は『Calling You』がとても好きなのでどこでこの差が……と思いました。
『Calling You』は最初からギミックが説明されて、それが物語のキーになるかつ、登場人物たちの心の揺れ動きとしても重要になる要素で、縦軸と横軸の糸としてしっかり組み合っているんだよな……
『鯨が消えた入江』は郵便箱がどうにも都合のいいアイテムとして最後に使われているように見えるのと、主人公の葛藤もあまり表現されずに「阿翔を生かしたい(=それがいいことか、悪いことか、会えたとして過去が変わった影響があるのか、ということも何も考えられていないのでは?と思ってしまう。)」だけで突き進んでいるように見えて、ここに共感できなかったり、主人公はもう少し考えないのかと感じてしまったりすると、一気に物語がSF、ファンタジー、悪く言うとご都合主義が強く感じられてしまったのかもしれません。
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