酸素計画

日記など雑多な文章

日記未満のことを書きます。

次の作品の感想です。
『生きて、生きて、生きろ。』

『決断~運命を変えた3.11母子避難~』
#鑑賞記録





最近、よくドキュメンタリー映画を見ています。
理由はフィクションに疲れたからかもしれません。現実をフィクションにして物語化しないと多くの人々の共感を得られないこと、現実にフィクションを挟まないと伝えられないことが多い傾向に疲れた、というのが私なりに言語化した理由です。
(私自身が現実より、物語化された事象の方が共感しやすい傾向があり、あまりよくないのでは……と考えていたこともあります。なぜなら物語を介してではなく、現実は現実として理解と共感できた方が個人や集団を物語化してエンタメとして消費するのを避けられるのでは? と考えているため。)

数年間で、いろいろなドキュメンタリーを見ています。
その中でも、ドキュメンタリー映画がつながった(現実を映しているのだから、関係のない作品同士でもつながるのは当然なのですが。)と勝手に感動した二作品の感想を書きます。


『決断~運命を変えた3.11母子避難~』

3.11は、いまだにその日になると辛くなります。
私は被災していないのですが、当時いろいろと思い悩んだ時期でもあったため自身の無力感や、ストレスから身を守るための離脱感が強く記憶に残っています。

しかし、たとえ深く関わりのない私であっても、知らないのはよくないのかもしれないな……と考えて見ました。
知らないのはよくないのかも、というのは無力な自分が免罪符として知ることで何かできるかもしれないとおこがましく考えているだけかもしれませんが。

感想としては、すごい映画で見られてよかったと心の底から思いました。
特にエンドクレジットが、震災発生直前に放送された番組で防災についての話題が流れて、そのまま震災が発生して緊急事態の放送に切り替わったところは、当時を思い出して泣きそうでした。

すごい映画だと思ったところがうまく文章にできないので、箇条書きでまとめます。

・被災した方々の復興や支援が当事者の言葉としてしっかり分かった。
感情的な意見ではなく、確かに……と納得しました。
税金はこういう支援に使われてほしいし、必要な方に行き届いてほしいと思います。
あとNHKとかではなんか……前を向こう!みたいな……これからの私たち!みたいな前向きなものが多めで問題提起させてくれなさそうな番組群が多い印象だったので、こういう意見を伝えてほしい……と思いました。
(しかし、感情に訴える方が支援してもらうには有利というか……非常に悩ましい現実問題があります。)

・原発の問題は健康被害として出ている。
原発反対の運動をしている人を知っていますが、こういう現実を知ったらそういう活動をするよな……と考えました。

・なんで被害者側が訴訟してるの? やるのは加害者側では?
怒りしかないですね……
被害者側が訴えないと正当な補償すらしない大企業とは? 被害者側への負担が大きすぎる裁判とは? と複雑な気持ちしかありません。
(災害なので誰が被害者、加害者とは簡単に言い切れないと思いますが。)



『生きて、生きて、生きろ。』

『決断~運命を変えた3.11母子避難~』を見てからしばらくして見ました。
絶対に見るぞと思いましたが、想像の何倍もすごい映画でした。

なぜすごいと思ったかですが、真摯だと思ったからです。
福島から沖縄まで丁寧に取材をして、何年もの歴史と傷ついてきた人々がいることを映しているのが本当にすごかったです。
(いろいろとドキュメンタリーを見ていると、こうやって映したいんだろうなあ、だから内輪ノリみたいに見えるのかな? と思うのですが、この映画はいろいろと辛い現実が人々の数と歴史だけあって、今もなお続いているのだ……と泣きそうになりながら見ていました。)

感想がうまく文章にできないので、箇条書きでまとめます。

・『決断~運命を変えた3.11母子避難~』でも出ていた住宅支援の打ち切りの問題で、家族を失ってしまった方が取材対象になっており、被災者への理解が進んでいて住宅支援さえ継続していたら……と絶望しそうでした。

・戦争体験(兵士ではなく巻き込まれた市民側)がトラウマやPTSDになっていないのか、みたいなところは常々気になっていましたが後年になって影響が表に出てくる場合もあると知って「そうですよね……」と思いました。
戦争体験を語る人々からはそういう話があまりない=都合がよくない、あるいは目を引きにくいからメディアではカットされがちなのか? とも考えました。

・福島の歴史から説明してくれるのですが、アメリカの政治的な企み、貧困問題などが深く絡みついていて辛くなりました。
やっぱりアメリカは好きになれないですね……となぜか思いました。(元々私がアメリカやヨーロッパ至上主義がちな日本の価値観が好きではないのが原因だと思います。)
それにしても、貧しい土地だから移民として海外に移住させたり、問題が発生しても少なく抑えるためにと原発誘致をするなど、私は全然知らなかった事実であったため興味深かったです。
原発事故が発生したことも問題ですが、そもそもは貧しい土地とみなされて生贄のように原発建設先として選ばれたこと、政治や経済の問題は人命より優先されてしまう資本主義が問題なのでは? の今でも考えています。
(しかし、考え始めると国家という集団がそもそも弱い立場やマイノリティにとってはよくないのでは? 第二次世界大戦が発生したのは経済ブロックなどで結局経済を優先してしまう人類に問題があるのでは?……といろいろ考え始めてしまい頭がぐちゃぐちゃです。)

・アルコール依存症は怖い……と改めて思いました。
まず福島の原発関連の仕事が働く人を捨て駒みたいにしていて、とてももやもやしました。
労働は人を捨て駒みたいにするのが得なのは分かりますが、それでは今後の労働環境を先細りにさせていくだけなのに……とも思います。(つまり、人は大切にしてほしいな……私は大切にしてほしいから……という気持ちです。)

・取材されていた二人の方が、なんとかいい方向にいっているように見えて安心しました。


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