『なぎさ』鑑賞記録#鑑賞記録 続きを読む予告を見て、自分が好きそうだと感じて見ましたが自分の好みに合っておりとても好きな作品です。主人公の雰囲気が序盤からひりついていて、どこかとても不安になる青年(青少年?)ですが、それが心霊スポットになっているトンネルに行くことで夢か現か幻かも分からない回想と後悔、愛情と他愛なくも大切な思い出が散りばめられたシーンに続くのが印象的でとても好きです。妹と主人公が性的虐待、ネグレクトされた環境下で育ち、お互いがお互いの支えになっていたのだろうなと伝わる子ども同士の食事、遊びのシーンに寂しくも愛しさを覚えます。また説明も少ないのですが、しっかり状況などで「兄は実妹を性的な意味合いでも好いているのかもしれない」という触れてはならない緊迫感のようなものが伝わってきて、誰にも相談できない二人の関係と閉塞的な環境が辛くも二人の兄妹には大切な場所だったのかと思いました。(妹のなぎさが男性と物置らしい場所に入る場面は、やはり妹がその男性と付き合っていて、それを見た兄の文直が妹を取られたくない(=本当に好きなのは兄である自分だ)とキスをしてしまったのか...?と考えています。)(それはともかく、避妊さえしていればこの兄妹が迎える結末は変わったのかもしれないとも思います。こう思うのは、私は近親同士の恋愛がすべて許されないものなのか分からないからなのかもしれません。特にこの物語では兄妹が置かれた環境がいいとはとても言いがたく、虐待されており、適切な教育や自分の感情の表現・発散方法が分からなかったのではないか?と考えている節もあるからかもしれません。)途中途中に挟まれるバス事故、実家に残された妹の苦悩、妹からの連絡を罪悪感から逃れるように無視した兄、バス事故で息子を失った母、過去の思い出を見ていて、過去の思い出や喪に服す様々な方法は人が亡くなったことで取り残された人々が縋るものでもあり、苦悩の根源でもあり、生きる人々が死に対して向き合うために必要なものなのだろうと思います。また赤がとても印象的な作品で、生まれること、死ぬこと、生きること、肉体を強く意識しました。畳む 鑑賞記録 2023/05/29(Mon) 00:43:30
#鑑賞記録
予告を見て、自分が好きそうだと感じて見ましたが自分の好みに合っておりとても好きな作品です。
主人公の雰囲気が序盤からひりついていて、どこかとても不安になる青年(青少年?)ですが、それが心霊スポットになっているトンネルに行くことで夢か現か幻かも分からない回想と後悔、愛情と他愛なくも大切な思い出が散りばめられたシーンに続くのが印象的でとても好きです。
妹と主人公が性的虐待、ネグレクトされた環境下で育ち、お互いがお互いの支えになっていたのだろうなと伝わる子ども同士の食事、遊びのシーンに寂しくも愛しさを覚えます。
また説明も少ないのですが、しっかり状況などで「兄は実妹を性的な意味合いでも好いているのかもしれない」という触れてはならない緊迫感のようなものが伝わってきて、誰にも相談できない二人の関係と閉塞的な環境が辛くも二人の兄妹には大切な場所だったのかと思いました。
(妹のなぎさが男性と物置らしい場所に入る場面は、やはり妹がその男性と付き合っていて、それを見た兄の文直が妹を取られたくない(=本当に好きなのは兄である自分だ)とキスをしてしまったのか...?と考えています。)
(それはともかく、避妊さえしていればこの兄妹が迎える結末は変わったのかもしれないとも思います。こう思うのは、私は近親同士の恋愛がすべて許されないものなのか分からないからなのかもしれません。
特にこの物語では兄妹が置かれた環境がいいとはとても言いがたく、虐待されており、適切な教育や自分の感情の表現・発散方法が分からなかったのではないか?と考えている節もあるからかもしれません。)
途中途中に挟まれるバス事故、実家に残された妹の苦悩、妹からの連絡を罪悪感から逃れるように無視した兄、バス事故で息子を失った母、過去の思い出を見ていて、過去の思い出や喪に服す様々な方法は人が亡くなったことで取り残された人々が縋るものでもあり、苦悩の根源でもあり、生きる人々が死に対して向き合うために必要なものなのだろうと思います。
また赤がとても印象的な作品で、生まれること、死ぬこと、生きること、肉体を強く意識しました。
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