この巻のトピックスといえばP87〜 で特別出演の交換留学生「マリ」。
辺り前の様にちょこんと登場していますが、本編初登場。
ゲーム版からのゲストさんなんですね。
実は私は4コマ「原作主義」。4コマアニメでも見ない事が多々(この作品はロンモチで観ましたよ!)。
ゲームやその他の関連商品についてはゼロです。
ゲームの場合、そもそもハードから持っていません。
根っからの4コマっ子でございます。
なので馴染のないキャラでした。が、こんな短いエピソードでもヒマワリの様な元気で明るい彼女が5人と楽しい時を過ごしたんだろうな・・・という事がよく伝わってきました。
上記の話ではないですが、この作品に限らずキャラクターの個性は読んでいても分かるものですが、それが分かりやすいシーンというのもよくあります。
この作品のテーマは「美術」ですので、その特色が出やすいです。
P11〜 の仮装や、P21のポストカードのイメージ。
それぞれの発想点が分かりやすいシーンですね。
そして、普通代表ナミコさん。
ネタも画風も色彩感覚も素晴らしいのですが、「魅せ方」もまた素晴らしい点。
P28〜 の「面取り」での「石膏像からの視点」。そして、それを通じた如ちゃんの変化。
こういう表現方法はホントに先生ならでは。
そして、P36〜 の不思議な世界。
割とこういうメタ的なネタは特に最近の作品では珍しくないですが、その完成度の高さは業界随一と確信しています。
メタ的なネタは一発ものが多く、その1本だけ。インパクトが強い分、引っ張りにくい所もあると思います。
それに、作品の世界観そのものを壊しかねませんし。
にも拘らず、メタ的なネタを1話を通じて描き、それでいて作品の世界感も壊さず筋の通った1つのお話として完成させる。
先生のもう1つの作品である「棺担ぎのクロ。〜懐中旅話〜」でもそうなのですが、「1話を通じた完成度」の高さは圧倒的。
フリや複線、そしてストーリー。それを表現し、より引き立てる描写力。
見事にネタを織り込みながら心地い結末へ着地させる演出は「お見事!」しか言いようがありません。
もう1つ、不思議な世界といえばP79〜 の眼鏡を外した如ちゃんの世界。
こういう抽象画に近い独特の表現。この世界を生み出せるのは先生しかいないでしょう。
P62〜 では芸術の一端、骨董に関してのエピソードも。
色々と専門用語も登場していますが・・・きゆづきさとこ先生の美術知識の幅広さには舌を巻くばかりです。
普通にネットで調べるだけでは分からないような事も多く、元々そういう専門書を読んだり詳しい知人がいたりするのか・・・
このエピソードでのキョージュの総括「損得勘定で価値を計れば後悔も生まれやすい 心から気に入って買ったのであれば それは人にとっても物にとっても幸せな事だと思うがな」という言葉が好きです。
この言葉は骨董品だけでなく、美術全体に当てはまること。
私自身も芸術を愛する人間の1人。
音楽に関しては習ったり演奏したりしている一方、絵を描くのは大の苦手。
でも、鑑賞は好きです。たまに展示会の案内をもらって鑑賞に行ったりもします。
実は2点ほど絵画も持っていたりします。
興味のない人にとっては価値がないのかもしれませんが、私にとってそれらは支払った対価に見合う価値のあるもの。
安いものではありません(かと言って凄く高価でもないですよ?)。
でも、それを手に入れた事を後悔した事は1度もありません。
「心から気に入って買った」ですから♪
私は4コマに出会って、この作品に出会って、色彩に興味を持って、色彩の勉強をしました。
最初に絵画を買ったのは4コマに出会うさらに数年前。
知識も何もなく、ホントに心惹かれて買ったのです(個人的に色々と縁のある作品でもありました)。
そういう人間だからこそ、この作品にも強く惹き込まれているのかもしれません。
今回の美術解説は女性必見「服飾史」。
本編でも仮装するエピソードもあり、今回は巻を通じて「服飾」のイメージですね。
ノダミキのヘアスタイルもそうですが、女性かつ美術に携わる先生ならではの繊細さと美的感覚がなければこれだけの魅力が詰まった内容にはならないんでしょうね。