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GA 芸術科アートデザインクラス - 5巻

最初のお話。その扉絵がものすごく好きだったりします。
こういう遊び心溢れたイラストってホント凄いです。
作品を通して扉の完成度が尋常ではなく高いのもこの作品の特徴。
内容に上手くひっかけながらも遊び心満載で、この1枚だけでも楽しめてしまう。
そしてP9のオチにも引っ掛かってるんですね♪
このエピソードについては「感心したこと」というレポートにでもちょっと触れています。
この作品の完成度の高さには毎度のことながら頭が下がる思いです。

この巻の最大のトピックスは夏休みのエピソードが中心であることでしょう。
これまでは学園内が中心。
一方でこの巻は学園の外が中心。
服装も制服から私服へ。
「四季おりおりっ!」でもそうなのですが、こういう描写の美しい作品での楽しみの1つはこの「私服」のデザイン。
描き手からすると大変なのでしょうが、読み手からすると「先生自身の個性」と「キャラクターの個性」を感じる事が出来る楽しみの1つ。
しかも何パターンもあり、女の子らしいオシャレもアリ。
学園の外なのでいつもと趣向の違うエピソードである上に服装も違う。
それでも空気はやっぱりいつもと一緒♪
学生時代って、やっぱりそうでしたよネ♪
というわけで、美術の専門的な内容よりも「芸術家の卵たちのプライベート」という視点のエピソードが中心。
とはいえほぼ全てのエピソードが美術に絡んでいるのは流石。
萌え4コマは特になんですが、結局メインテーマが薄くなってキャラクターネタにオチついてしまい個性が無くなることが多いです。
この作品は徹頭徹尾テーマが一貫。
そういうところが大好きな所の一つでもあります。
この作品でしか、先生でしか描けない世界とネタ。
長期連載の秘密は沢山あると思いますが、ブレずに貫くことの出来る「美術」という大黒柱。
これを使いこなす先生の技量と応用力、そして幅の広さにあると思っています。

ホントにどーでもいいつぶやきをちょっとだけ。
P24右4コマ目やP118右4コマ目のキョージュが大沖先生っぽかったなーと。
はい、ホントどうでもいいつぶやきでした。

どうでもいいつぶやきPart2。
P60にて「見浜町」とありますが、モデルは愛知県の「美浜町」でなんでしょうか?
実はこの絵ハガキと海のエピソード、お気に入りの1つです。
色々なアイデアも面白かったですし、P59右のネタも大好き。
P62右4コマ目でトモカネだけが何の事か分かっていないところも彼女達の個性がよく出ていますし♪

キャラクターでは今までたくさんの伏線で存在をほのめかされていたナミコさんのお姉さん登場。
ナミコさんの名前が「奈三子」でお姉さんが「風二子」。
さらに上にもう1名いるのかな?
また今までのキャラクターとは違う、行動力とカリスマ性を兼ね備え頼れる悪戯好き、なお方。
登場は恐らくまたしばらくないと思いますが、1度登場しただけで忘れられない存在感を残していきました。
嗚呼・・・この人がレギュラーだとオチは毎回持っていきそうだ。
そういった意味でも頻出は難しいですね。
いわゆるジョーカーキャラ。凄くて人気があっても作品のバランスが壊れるのでなかなか登場出来ないキャラ。
この作品は「芸術科のみんな」を描く作品。
偏っちゃダメですもんね。
アニメ化する際も当初は各キャラクターにスポットを当てる案もあったそうですが、原作を読みこんで「それは違う」という事になって「全員でのエピソード集」になりましたからね。

今回の美術解説は季節と芸術について。
色の持つイメージには季節感も当然あります。
自分の生まれた季節から自分自身のイメージとなる色を見つけるのも楽しいですよ♪
P20で西洋では「冬」を「死」・「春」を「再生や誕生」とするという解説がありますが、実は東洋でも同じ。
やはり命の芽吹く季節や活動を休止する季節のイメージというのは万国共通の様です。
色で言えば東洋の五行論では「春=木=青」「夏=火=赤」「秋=金=白」「冬=水=黒」です。
五行の残り1つ「土」は季節と季節を繋ぐ「節」で、「黄」です。
色というのは国や時代によってもイメージや感じ方が全く異なります。
ドイツでは黄色が重視され、ドイツで考案されたカラーシステム「オストワルトシステム」でも色に付けられた番号は1番が「黄色」です(国旗にも使われていますね)。
はい、話が脱線してきましたので軌道修正。
ちなみに「夏」となると私は如ちゃんも言っていましたが「ゴッホ」を連想します。「太陽の画家」とも言われますもんね♪
日本に憧れ、日本を「暑い国」と思い南へ移住した方。
ちなみに日本を熱い国と勘違いしたのは「浮世絵」で影が描かれないため。
「影が無い = 太陽が真上から降り注いでいる = 赤道直下 = 熱い」
という考えだったそうです。
影を描くという事自体が当時の日本にはなかったためそういう勘違いになったんですね。
はい、結局、本作と関係のない美術トリビアでした。

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