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ざっちゃん - 1巻

ぱれっとの中でも異色の作品。
萌え色を全面に追い出した雑誌に置いて、萌えを放棄して笑いの道をひた走るその姿はいい意味で目立っておりました。
この作品と「四季おりおりっ!」がぱれっとを買う動機みたいなもんでしたからね。
ええ、萌え4コマ誌でも私が求めるのは「笑い」ですので。

最初の巻というのは設定を固めるのが基本・・・ですが、実は2話の時点でほぼ全て固まったと言っても過言ではありません。
重要なキャラである「ざっちゃん」「疫病神」「さっちゃん」「ぬらりひょん」が揃い、メインである『凶星七番勝負』が発表。
これから先はこの『凶星七番勝負』をめぐるざっちゃんと疫病神の勝負が描かれることになります。
で、肝心の勝負は4話にて開始!この1巻、七番勝負のうち何と四番勝負までが消化されます。
連載がどれくらい続くかこの時点では分かりませんでしたしね。
基本的なパターンは、
勝負方法発表 → 特訓 → バトル! → 後日談 → 日常 → 次の勝負方法発表
です。が、初期はこの流れがコンパクト!
『勝負方法発表 → 特訓 → バトル!』が1話の中にぎゅぎゅっと入っております。
実は当時はまだ隔月連載。回を跨ぐことは避けたんだと思います。
それに、連載が早く終わってしまうと、七番勝負が消化できずに最終回・・・という懸念もあったでしょうし。

一番勝負は「棒倒し」。激闘(?)の末、初戦は疫病神が見事勝利。副賞として「変化の術」を獲得。
この「変化の術」が疫病神の最大の個性かつ武器になります。
考えてみると、周囲の人に特訓を付けてもらえるざっちゃんに対し、疫病神の基本能力は「不幸にする」だけ。
しかも、それはざっちゃんの「幸運を呼ぶ」と相殺して相手に影響を与えられない。
そうなると何かしらの特技が無いとキャラとして立たない。そうなると最初の勝負でこの能力を与えておく必要があったんですね。
で、二番勝負は「ボクシング」。こちらも1話の中で発表・特訓・勝負、がセットになっています。
この勝負はざっちゃんが勝利を収め、「韋駄天の術」を獲得。
こうやって獲得する能力やアイテムが後の勝負でも生きてきます。
ある意味ストーリー4コマと言えなくもない?
そして、三番勝負ではついに玉藻が勝負を取り仕切ることに。ボウリング対決です。
本作最強の妖怪、いよいよメインとして動き出します。
ちなみに勝負、三番勝負以降は妖怪用ルールです。
このボウリングではピンが他の妖怪で、妖力を込めた球でピンを倒すというものでした。
で、この勝負は前後半戦に分かれ、初の2回に跨るお話。
勝負はまさかのドロー。勝敗つかずでした。
そして、四番勝負は・・・「神経衰弱」。
特別ルールとして「取った枚数」ではなく、「取った札の数字の合計」で競うというもの。
普通にこういうルールでやるのも楽しそうです。
この勝負、ルールを利用し、さらに自分の弱点さえも武器に変えた知略戦の結果ざっちゃんが勝利。
そう、この作品はギャグ4コマであると同時に、こういう高度な駆け引きや作戦も見どころの1つなのです。
そして、この勝利の特典は「小袖の手」という妖。
2巻以降この「手」とのやりとも出てきます。

絵の感じは流石に初期はちょっと違います。あとがきでも書かれていますが。
ヴァンナさんはもう別人です。
そして、ヤマザキさんは出番が多いです。
ざっちゃんの特訓相手は序盤はずっとこの人でしたし。
妖怪たちの出番が増えるにつれ、影が薄くなって行きます。

あと、この1巻を読む時はP62をよく読んでおいて下さい。
後々まで引っ張りますので、このネタ。ええ、最終回近くまで・・・

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