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ボク恋コンダクター

作者 坂巻あきむ ボク恋コンダクター
作者HP
掲載誌 まんがくらぶオリジナル → まんがライフMOMO
単行本数 2巻(連載終了)
Wikipedia
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チャート
内容 幼馴染の「向上歌恋」に方想いの応援を頼まれた「中村コウタ」。
しかし、コウタは幼い頃に歌恋に密かに恋をし、とある事情からその思いをずっと抑え込んでいて・・・
初恋の相手の初恋を応援するうちに再び惹かれてゆく事を感じながらも彼女の恋を応援する。
恋の応援から想いが再燃する4コマ史上最も切ないラブストーリー。

恋心切なさ
恋する乙女(1巻P76右2コマ目)切なさ溢れる物語(1巻P78右4コマ目)

当サイトで紹介する作品の中では笑いの要素は低い方であり、それをメインに据えた作品ではない。
最大の特徴はその切ないラブストーリーであり、枠としては「ラブコメ」ではあるが、切ないラブ要素の比重が非常に大きい。
これは4コマ全体としても珍しいタイプの作品。
帯には「アイツ(幼馴染)の恋を応援すると決めた・・・なのに・・・」とあり、この言葉が作品の根幹を物語っている。

掲載誌の休刊により舞台をライフMOMOに移して連載継続された。
感想 切ない恋が好き、ラブコメというより恋愛作品が好き、ボク娘っていいよね。
そんな方は必ずツボに入る事を4コマコンダクターとして保証します。
実は本来の私の好みから言えば恋愛モノというのはあまり食指が動かない方。そしてこのサイトは笑いがメイン。
そこでレビューしているという事体だけでもオススメ具合が分かって頂けるでしょう。
序盤はコミカルな要素がやや多めですが、これはキャラクター達の紹介や読者の感情移入、そして日常を見せるためかな?
次第にコウタの心情の変化と共に恋愛要素が増していきます。
1巻P78とか・・・切ねぇ!

歌恋の片思いの相手であり、コウタにとっては複雑な恋のライバル(?)なのが樹さん。大学生さんです。
この人もまたいい人。さわやかで気配り上手で優しい。そして、眼鏡男子です(重要)。
それだけにコウタはホント複雑な心境やろうなぁ・・・
同性としてお勧め物件であり、安心して任せられるだろう人。
次第に自分の無自覚な想いが膨らんでいく中で樹さんに対する感情はさらに複雑になっているんだろうなぁ。
おまけに「知らない人」なら気持も整理しやすいのですが、実際に面識ができてしまい、そのいい人さを目の当たりにして・・・
歌恋の気持ちはブレることなく一途で。
トドメにとうとう自分の気持ちに気付き・・・
切ねぇ!!
その辺りのコウタの心理描写も是非是非チェックして下さい。というか、それが作品の中心っス。
そして、物語が1巻の後半になると「歌恋とコウタ」以外のキャラクター達のこれまた複雑そうな恋愛模様も描かれるようになり・・・
切ねぇ!!!

恋のコンダクター愛ちゃん
恋のコンダクター(1巻P61左1コマ目)ハイスペック愛ちゃん(1巻P7左4コマ目)

コマの形が決まっているという制約がある4コマにおいて、むしろそれを逆手に取ったような「4コマならではのテンポ」によって心地よく読み進める事ができます。
また、あとがきでも語られていますが、「セリフを多用できない」という制約も。
そのため、「セリフ以外の表現」が多く、視覚的にも楽しい構成です。

個人的に愛ちゃんがツボです。最年少ながら最も大人で、謎スペック。
ある意味達観したような幼稚園児です。
それだけに、登場すると圧倒的存在感で全てを持っていく一方、登場しすぎると作品の方向自体が変わってしまいかねないです。
コメディ要員であり、スパイス的存在。
入れ過ぎると別の料理になってしまう薬味のような感じでしょうか。
そのためか特に恋愛模様が加速しシリアスな展開が多くなった2巻では登場が少ないです。
それだけ複雑な恋愛模様に焦点が当てられているということです。

メインのコウタと歌恋だけでなく亮介とみのりちゃん、そしてセツナさん。
複雑で不器用な恋模様は2巻でさらに加速。
というか、怒涛の展開の連続です!
常に不安と背中合わせな不安定な恋心たちに訪れるすれ違いと決断。
ギュギュっと青春を濃縮した「走り抜ける!」という表現がしっくりくる1冊でした。
コミカルな部分よりも甘酸っぱい合恋をメインに描いています。
実を言うと私自身はそれまでラブコメの“ラブ”には食指が動かない人間でした。
そんな私でしたが、
これからどうなるのか知りたい、彼らの青春を見守りたい、ラブコメの“ラブ”もいいよね。
そう変わってしまった。それだけの力のある作品です。
私は自分を変えてくれる“何か”が大好きです。
この作品は私のラブコメに対する価値観を変えてくれた大切な作品です。

ネタで一番好きなのは1巻P60左の「歌恋さんは真剣です」。
こういうシュールなネタがツボなんです。
無音かつ歌恋の表情がまた♪
単行本 発売日 ・1巻:2014年4月26日
・2巻:2015年8月28日
試し読み
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関連項目 ●ジャンル ラブコメ ●チャート 万人ウケ(高い)
●データ ハイスペックキャラ
同人誌
●作品研究
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●作者別 作者別作品一覧 ●各巻感想
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あわせて読みたい
パンなキッス
一週間フレンズ
「ラブコメ」は漫画の王道。よって、4コマでも作品数は多いです。
そんな中でも「ラブ要素」がメインとなっている作品がこれらです。
その甘く切ない想いは男子の視点にするか女子の視点にするかでも大きく分かれます。
「パンなキッス」は女の子の視点。恋する乙女とそれを応援する乙女たちが中心。
方想いの相手が年上の優しい眼鏡男子なのは当然のデフォです。
「一週間フレンズ」は男の子の視点。相手は同級生。
設定が特殊なため、切なさ倍増であり。「切ないラブストーリー」という点でこの作品と共通しています。

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