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ひまじん

作者 重野なおき ひまじん
作者HP 重野なおきのページ
掲載誌 まんがタイムジャンボ(芳文社) → まんがタイム(芳文社)
単行本数 7巻(連載終了)
Wikipedia ひまじん
チャート
内容 舞台が一切変わらず、一つの部屋の中で話が展開していく非常に特異な作品。
主人公であるフリーターの「森川つぐみ」の部屋を舞台に、友人の「和久井理沙」との自堕落な日常をコミカルに描く。
長期連載作品でありながら、登場人物が非常に少なく、舞台もつぐみの部屋のみ(ごく稀に部屋から出ることもあるが、つぐみ自身が部屋から出ないよう心掛けている)、最近珍しくなってきた「1本独立タイプ」の作品、と様々な意味で他の作品から一線を画している。
あまりにも人間が少ないため、こたつや扇風機やサボテンまでが「登場人物」として扱われている。
タイトル、そして設定から分かるように、非常にのんびりとした空気の中で、作者らしい笑いがちりばめられた作品。
毎回表紙には「ひまじん」のタイトルと、毎回変わるサブタイトルのようなものが付いている。

なお、この「ひまじん」の対極として作られたのが同作者の「たびびと」である。
感想 取り敢えず言いたいです。お見事!と。
登場人物が極端に少なく、舞台も部屋の中だけでよくぞこれだけの話を作れるものだと。
世の「ネタに詰まったから新キャラ・新展開」をしている作品に問いたい、「この作品を読んだか?」と。
いやはや、ホンマに凄い人ですね。

1話4ページとやや少なめ。最近は5〜6ページに増えましたが。
そのため、単行本化もちょっと時間がかかります。
そして、現在6巻まで出ています。
そう、実は2000年から10年以上続いている超長期連載作品なのです!
設定も登場人物もそのままに。
実は連載当初は評判がイマイチで、打ち切りの話もあったのだとか(1巻あとがきより)。
この作品を切るなんてとんでもない!
初期から画風もネタ風も面白さも変わらず、シンプルでいながら飽きのこない良作。
是非ともこれからも長く続けて頂きたい。

6巻P11ではお話の「フリ」が出てきます。
が、その話を全く広げません。そのフリはその場で終了。
次のページからはいつものように単発ネタが展開されます。
このネタこそがこの作品を象徴している気がします。

当然ですが、ネタとしてはある程度お決まりのパターンや展開があります。
その中でも、サボテンの緑丸シリーズが好きです。特に5巻P26右のネタはツボでした。
それ以外にもMHK男や宮本君の借金ネタなど、お約束のネタというものがあります。
マンネリ、というよりも、よしもと新喜劇的な予定調和に近いものがありますね。
無論、その中で「こうきたかー!」と言う楽しい裏切りもあります。
最近はそういうお決まりのネタや、そのネタの担当キャラクターも定着。
そろそろ「少人数」のラベルを外すべきなのかもしれない・・・なんて気もしています。
単行本 発売日 ・1巻:2002年7月18日
・2巻:2003年10月18日
・3巻:2005年11月17日
・4巻:2007年9月22日
・5巻:2009年5月22日
・6巻:2011年3月22日
・7巻:2012年10月21日
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関連項目 ●ジャンル ロングセラー
少人数
ニート
●チャート 作品の舞台
誕生日
血液型
身長
●データ 学校
小冊子(単行本)
●作品研究
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●作者別 作者別作品一覧 ●各巻感想
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