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吸血バイト霧島くん

作者 鹿島初 吸血バイト霧島くん
単行本数 2巻(連載終了)
掲載サイト ヤングエースUP
Wikipedia
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チャート
内容 半吸血鬼に天使に人狼にアンドロイドに淫魔に・・・
亜人だらけのコンビニを舞台に人間関係のドタバタを描くコメディ作品。
登場人物全てが亜人であり、その特徴をとらえたネタが中心となっている。
コンビニでの仕事内容についてはあまり触れられず、上記のように人間関係のやり取りで話が進むのはこの手の作品ではお馴染みの構図。
また、ラブコメのテイストも含んでおり、特に霧島(半吸血鬼)の歯の浮きそうなセリフに赤面する雨宮(天使)が多く描かれる。
とにかく賑やかなことが特徴の作品。

週刊連載ではあるが、1回の更新で4ページ。それが2回セットで1話になっている(そのため1話が8ページとなり他の作品同様のページ数)。
作者にとって初のコミックス。
感想 普通の人がいない人間関係ごった煮のコンビニコメディです。
亜人なので能力がやっかな上に人間性が輪を書いてやっかいという、まさにコメディのお手本のような設定です。
設定が安定してコメディを生み出せる上に、画力も高いです。メリハリも効いていますし。
この人、ホントに新人さんか?

帯での雨宮さんの紹介にあった「堕天寸前俗物チョロイン」が的確過ぎて笑いました♪
彼女の全てをぎゅっと圧縮した表現です。
天使なのに金銭欲が強く、それ以上にちょろい(恋をすると堕天するのに)。そして、何よりもブラック企業の従業員。
彼女、“天使”という前振りがなければ完全にただのブラックを辞められないOLさんですよ。
天使って、給与も低く、休日もない、残業も多く労基法もないそうで・・・。ああ、ただのブラックだ(本人も「ありがとう労働基準法!!」と叫ぶほどの苦労人[1巻P9])。
1巻P150でも「なぜ堕天しない(天界に残る)?」とみんなが思っていることを言われて本人も納得しかけるほど。
ブラックでちょろくてヒロインで・・・
一番の常識人が苦労するのはコメディの定番ですが、そのドストライクをいっている人ですね。
そのためツッコミを担当することも多いです。
ただ、本人も欲(特に金銭)に忠実だったり、上司に辛辣だったりとコメディリリーフな面もあります。

このようにイジリがいのある雨宮さんですが、それ以上にイジられるのは人狼の賀楼さん。
共通しているのはどちらも常識人であるところでしょうか。というか、賀楼さんが一番まともな人(?)でしょう。
大柄で顔が怖くて力が強い点を除けば一番普通で良識人です。
そして、雨宮さんも認める「ぶっちぎりの苦労人」です(1巻P79)。
で、それ以上に良識を重んじると潔癖というか生きづらい性格になって・・・。それが雨宮さんの上司の権天使・ズリ男さん(本名:ズリエル)です。
からかいがいがある上にハレンチに耐性がなさ過ぎて反応が面白い上に、ツッコミの筈の雨宮さんからも辛辣に扱われるため助け船もなし(むしろ被害に遭っている様を望んでいる様子)。
ひたすらに可愛そうな人です。
常識があればあるほど、濃いキャラたちの中では損な役割になるのです。

全員のキャラが濃いからでしょうか(ホント、キャラの薄い人がいない・・・)主人公は霧島君ですが、それ以外の人たちの存在感も強いので群像劇に近いでしょうか。
とはいえタイトルになっているだけあって霧島君の出番が一番多いです。
人をイジって楽しむ性格や便利な能力(魅了・霧/コウモリ化など)もあるため、多方面に活躍します。
加えて無自覚に(雨宮さん相手に)歯の浮きそうなセリフを吐くため、話の主軸になりやすいです。
濃いキャラ博覧会の作品では主人公の影が薄くなりがちですが、この作品では霧島君、負けていません。
雑記 本作の完結から2年後、ご本人による続編同人誌が発売されました。
「同人誌」にて詳しく書いてはいますが、DL販売があり、クリック一つで購入できちゃいます。
嬉しいことにPDF&JPEG形式ですのでお好きなブラウザで読めるのもうれしいところ。
ちなみに非4コマで、さらなる続編(他のカップリング)も予定されています。
単行本 発売日 ・1巻:2016年9月1日
・2巻:2017年5月1日
試し読み 連載サイト
関連項目 ●ジャンル アルバイト
ファンタジー
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●データ 誕生日
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同人誌
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吸血鬼にっき
舞台が雑貨屋さんで、店員もお客さんも吸血鬼だらけの中に人間の女の子が一人、という構図。
女の子が(色々な意味で)ドキドキさせられっぱなしなのはこの作品と共通していますね。
どちらの作品も「吸血鬼は人をからかうのが好き」が描かれています。
この作品ほどコメディが強くないのが違う点です。

・200年の夜と孤独〜おひとりさま吸血鬼〜
本作同様コンビニでのバイトです。
やはり吸血鬼ということで深夜バイトの代表であるコンビニ、ということでしょうか。
吸血鬼の女性(200歳以上)が主人公であり、登場人物が非常に少ない点が違いです。
また、日光に弱いなど吸血鬼の特徴が強いです。

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