『フィシスの波文』の感想です。#鑑賞記録 続きを読むイメージとしては『陶王子 2万年の旅』寄りのドキュメンタリーかな、という感覚で見たのですが、歴史を追う、芸術や文化としてどのように紋様が機能したり表現されたりといったテーマではなく、紋様とは一体何なのか、どういう文化に組み込まれているのか、それらを研究、作り、様々な表現をされる方の意識、感覚を自由にたくさん映している映画と私は感じました。自分は映画や本といった作品はあるテーマに沿っていくイメージが強かったのですが、この映画自体が見る人たちに「何を感じますか?」と波紋として影響する側面が強いように感じられて、テーマに縛られることなく紋様の可能性、人がそこに見出すものってすごいな!と思いました。(本当にすごいな……しか言いようがなかったので、すごい!です。急に語彙力の幅がなくなってしまいましたが。)まず和紙に紋様を写していく職人さんが出るのですが、こうした手作業で逐一作られているとは知らなかったためとても興味深かったです。あと今見てもすごくかっこよかったり、かわいかったりする模様の刻まれた木の版を見て、自分の同人誌の表紙もこんな感じでしてみたいですね……と思いました。(私は同人誌を作るオタクのため。)あと紋様って「繰り返し」なんだなと改めて実感しました。ぶれなくある規律に基づいて繰り返しを正確に行うことにも、ある程度「遊び(余裕、人間から作られることによって生まれるランダム性)」があることにも、どちらにもある一種の美しさが存在していて、すごいなと感動しました。美しさはありとあらゆるところに、実はあるし、そこに深い意味やDNAに刻まれた根源的な何かがあるかもしれないし、実はないのかもしれない……など考えました。(私は何にでも意味がある!と突き詰めていくと陰謀論とかに片足を突っ込んだり、オカルトな考えが行き過ぎてしまうので、そこに意味や理由があってもなくても面白いな、興味深いなというスタンスです。)芸術家の方の作品群がもう何をしているのか分からないくらいたくさん形が変わって混乱しました。すごすぎるのは分かるけど、何がすごいのか全然頭が追いつかない……!(図形と空間把握の認知機能がなさすぎて、本当に何が起こっているんだ……?!と思いました。)(すごく大盤振る舞いでめちゃくちゃ見せてくれるし、説明してくれるぞ……!と見ていたら、トークショーでたくさん見せてくれたと伺って笑顔になりました。インタビューとか取材にうーん……とか、仕事だから……という雰囲気ではなくて、すごくはきはきしてお話したり、作品を動かされているのを見る方が私は好きです。)(たまにテレビとかの取材が高圧的で……とかしばしば聞いたり、話したことと違う切り取り方をされたとかも聞くのですが、そういうのがなさそうだなと信頼して見れました。)和紙を作ったり、糸を染めたり、布を織ったりするのが、すごく手間暇かかっていて「すごい価値が詰まっているんだ」と今さら思いました。身近にあるものの歴史とか、それらが作られる過程を今さらながらに知って、やはり文化や技術を形作っていく人の歴史はすごいなと感動しました。祇園祭はほぼ行ったことがないのですが、こんなに外から来たタペストリーとか使われていたんだ!と驚きました。特に羽織り?に仕立てられたものは、虎と鹿が今見てもすごくかわいいというか、動いているようにいきいきとしていて「この模様を入れた小物とかあったらほしい!」と思いました。アイヌの人々の狩りの様子なども、賛美するわけではなくある程度距離を保って寄りすぎず、離れすぎずの距離で撮られていた気がしたのが、印象的でした。(日本がなかったことにしようとした文化、人々のことを過剰に持ち上げたり、逆に抑圧して差別した日本側を擁護したりはせず、フラットに映そうと努めていると分かると、私は安心します。)・上映あとのトークショーについていろんなお話が聞けて楽しかったです!90分の講義として詳しくお聞きしたくなりました。(あと自分の持ち物にも紋様がありますね!と言われて、人見知りの傾向があるため「こういう登壇者と鑑賞者が近いトークショーは初めてでどきどきする〜!」と思いましたが、好きなブランドの象徴として使っているモチーフをすぐ分かってもらえて嬉しかったです。)細胞、原子は常に揺れているとか、本当にそうだ……突き詰めて考えると、長い年月安定したものを生命は持ち得ないから「パターン性を常に変わりゆく自然や現象から見出して、パターンから象徴を抜き出し概念化して紋様にすることで、不安定な存在を安定したものと認識する」ことに安心したり、力を得られると拠り所にしたり、認知しやすくして身近に感じて祀ったりしたのかも……?と考えたりしました。(自然や超常的と信じられたものを祀ったりするのにもシンボルがあると集団で特定の概念への共通認識を維持するには便利だなとか、昔人間が原因を発見できなかった自然の力を崇めることで「未知」から「神・精霊」みたいな概念を与えることで理解しやすい物語に落とし込んだのかなとか考えました)(あと、放射性物質などを示すハザードマークや災害を示すピクトグラムは、概念や現象からイメージを形にして、万人に分かりやすくさせる機能を思い出しました。)完璧な丸は宇宙でしか作れないとか、そう考えると人間は完璧な何かを求めて創造するのをとめられなかったり、完璧でないことを受け入れるために物語を想像するのかな、など思いました。あと私は紋様に「恐怖」を感じて育ったことを思い出しました。古い布団の花柄が叫ぶ顔に見えて「かわいくないな……」と引きながら寝ていました。水玉とかは懐かしいとか、アラベスク模様などは重みがあってかっこいい!とか感じているのですが、やはり繰り返しの手間を考えると「えっ……これどれくらいの時間が……?」と恐怖も感じます。繰り返しは私の中では怖い感覚なのかもしれません。(変化しないことへの憧れと恐怖が同時に存在する感覚です。)赤字になってしまうパンフレットを印刷した話に、「うわー!オフセット印刷にしたい気持ち分かります!オンデマンドよりオフセットですよね!あとせっかくなら凝った装丁、作りにしたいですよね!」と完全に同人オタクになりました。それにしても、この作品は本当に文化庁から援助金が出たと聞いて安心するくらい、プロデューサーの方が大変だったみたいで……この映画を作ってくださり、本当にありがとうございます……!あとトークショーに登壇した方がUFO(今だとUAP?)を呼び出していらっしゃるとのことで、「ここでオカルト話が聞けるとは……!」と感動しました。私はオカルト全般好きですが、幽霊や未確認飛行物体などを見たことがないので、いつか見られるよう頑張ります!(幽霊は見たことありませんが、怪奇現象はたまに体験するのでこのまま頑張ります。)ただ、石巻山という山が愛知県にあって、その山が実は人工ピラミッドという噂があり、UFO目撃談も多くて……とサイン会のとき語ってしまい申し訳ありませんでした……(私は見たことありませんが、地元の人が怖い体験をしたとか、霊験あらたかな山と人づてに聞いたりしています。山の近くに住む人の中にはUFOを見た人が多いとか、なんとか……)畳む 2024/04/22(Mon) 21:53:55
#鑑賞記録
イメージとしては『陶王子 2万年の旅』寄りのドキュメンタリーかな、という感覚で見たのですが、歴史を追う、芸術や文化としてどのように紋様が機能したり表現されたりといったテーマではなく、紋様とは一体何なのか、どういう文化に組み込まれているのか、それらを研究、作り、様々な表現をされる方の意識、感覚を自由にたくさん映している映画と私は感じました。
自分は映画や本といった作品はあるテーマに沿っていくイメージが強かったのですが、この映画自体が見る人たちに「何を感じますか?」と波紋として影響する側面が強いように感じられて、テーマに縛られることなく紋様の可能性、人がそこに見出すものってすごいな!と思いました。
(本当にすごいな……しか言いようがなかったので、すごい!です。急に語彙力の幅がなくなってしまいましたが。)
まず和紙に紋様を写していく職人さんが出るのですが、こうした手作業で逐一作られているとは知らなかったためとても興味深かったです。
あと今見てもすごくかっこよかったり、かわいかったりする模様の刻まれた木の版を見て、自分の同人誌の表紙もこんな感じでしてみたいですね……と思いました。(私は同人誌を作るオタクのため。)
あと紋様って「繰り返し」なんだなと改めて実感しました。
ぶれなくある規律に基づいて繰り返しを正確に行うことにも、ある程度「遊び(余裕、人間から作られることによって生まれるランダム性)」があることにも、どちらにもある一種の美しさが存在していて、すごいなと感動しました。
美しさはありとあらゆるところに、実はあるし、そこに深い意味やDNAに刻まれた根源的な何かがあるかもしれないし、実はないのかもしれない……など考えました。
(私は何にでも意味がある!と突き詰めていくと陰謀論とかに片足を突っ込んだり、オカルトな考えが行き過ぎてしまうので、そこに意味や理由があってもなくても面白いな、興味深いなというスタンスです。)
芸術家の方の作品群がもう何をしているのか分からないくらいたくさん形が変わって混乱しました。
すごすぎるのは分かるけど、何がすごいのか全然頭が追いつかない……!
(図形と空間把握の認知機能がなさすぎて、本当に何が起こっているんだ……?!と思いました。)
(すごく大盤振る舞いでめちゃくちゃ見せてくれるし、説明してくれるぞ……!と見ていたら、トークショーでたくさん見せてくれたと伺って笑顔になりました。インタビューとか取材にうーん……とか、仕事だから……という雰囲気ではなくて、すごくはきはきしてお話したり、作品を動かされているのを見る方が私は好きです。)
(たまにテレビとかの取材が高圧的で……とかしばしば聞いたり、話したことと違う切り取り方をされたとかも聞くのですが、そういうのがなさそうだなと信頼して見れました。)
和紙を作ったり、糸を染めたり、布を織ったりするのが、すごく手間暇かかっていて「すごい価値が詰まっているんだ」と今さら思いました。
身近にあるものの歴史とか、それらが作られる過程を今さらながらに知って、やはり文化や技術を形作っていく人の歴史はすごいなと感動しました。
祇園祭はほぼ行ったことがないのですが、こんなに外から来たタペストリーとか使われていたんだ!と驚きました。
特に羽織り?に仕立てられたものは、虎と鹿が今見てもすごくかわいいというか、動いているようにいきいきとしていて「この模様を入れた小物とかあったらほしい!」と思いました。
アイヌの人々の狩りの様子なども、賛美するわけではなくある程度距離を保って寄りすぎず、離れすぎずの距離で撮られていた気がしたのが、印象的でした。
(日本がなかったことにしようとした文化、人々のことを過剰に持ち上げたり、逆に抑圧して差別した日本側を擁護したりはせず、フラットに映そうと努めていると分かると、私は安心します。)
・上映あとのトークショーについて
いろんなお話が聞けて楽しかったです!
90分の講義として詳しくお聞きしたくなりました。
(あと自分の持ち物にも紋様がありますね!と言われて、人見知りの傾向があるため「こういう登壇者と鑑賞者が近いトークショーは初めてでどきどきする〜!」と思いましたが、好きなブランドの象徴として使っているモチーフをすぐ分かってもらえて嬉しかったです。)
細胞、原子は常に揺れているとか、本当にそうだ……突き詰めて考えると、長い年月安定したものを生命は持ち得ないから「パターン性を常に変わりゆく自然や現象から見出して、パターンから象徴を抜き出し概念化して紋様にすることで、不安定な存在を安定したものと認識する」ことに安心したり、力を得られると拠り所にしたり、認知しやすくして身近に感じて祀ったりしたのかも……?と考えたりしました。
(自然や超常的と信じられたものを祀ったりするのにもシンボルがあると集団で特定の概念への共通認識を維持するには便利だなとか、昔人間が原因を発見できなかった自然の力を崇めることで「未知」から「神・精霊」みたいな概念を与えることで理解しやすい物語に落とし込んだのかなとか考えました)
(あと、放射性物質などを示すハザードマークや災害を示すピクトグラムは、概念や現象からイメージを形にして、万人に分かりやすくさせる機能を思い出しました。)
完璧な丸は宇宙でしか作れないとか、そう考えると人間は完璧な何かを求めて創造するのをとめられなかったり、完璧でないことを受け入れるために物語を想像するのかな、など思いました。
あと私は紋様に「恐怖」を感じて育ったことを思い出しました。
古い布団の花柄が叫ぶ顔に見えて「かわいくないな……」と引きながら寝ていました。
水玉とかは懐かしいとか、アラベスク模様などは重みがあってかっこいい!とか感じているのですが、やはり繰り返しの手間を考えると「えっ……これどれくらいの時間が……?」と恐怖も感じます。
繰り返しは私の中では怖い感覚なのかもしれません。(変化しないことへの憧れと恐怖が同時に存在する感覚です。)
赤字になってしまうパンフレットを印刷した話に、「うわー!オフセット印刷にしたい気持ち分かります!オンデマンドよりオフセットですよね!あとせっかくなら凝った装丁、作りにしたいですよね!」と完全に同人オタクになりました。
それにしても、この作品は本当に文化庁から援助金が出たと聞いて安心するくらい、プロデューサーの方が大変だったみたいで……この映画を作ってくださり、本当にありがとうございます……!
あとトークショーに登壇した方がUFO(今だとUAP?)を呼び出していらっしゃるとのことで、「ここでオカルト話が聞けるとは……!」と感動しました。
私はオカルト全般好きですが、幽霊や未確認飛行物体などを見たことがないので、いつか見られるよう頑張ります!(幽霊は見たことありませんが、怪奇現象はたまに体験するのでこのまま頑張ります。)
ただ、石巻山という山が愛知県にあって、その山が実は人工ピラミッドという噂があり、UFO目撃談も多くて……とサイン会のとき語ってしまい申し訳ありませんでした……
(私は見たことありませんが、地元の人が怖い体験をしたとか、霊験あらたかな山と人づてに聞いたりしています。山の近くに住む人の中にはUFOを見た人が多いとか、なんとか……)
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