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落花流水 - 9巻

MAX2番目の古参作品。多くの人に愛された百合コメ4コマの代名詞。ここに終幕です。
頻繁に言ってはいますが、このサイトを作るきっかけになった作品の1つがこの作品。
「きららMAX 2013年夏の読書感想文コンクール」でもお世話になりましたし、乃凪いるか、そして笑本を語る上で決して欠かすことのできない作品です。
もちろん、百合4コマやきららMAXを語る上でも欠かすことができないのは言うまでもありませんよね。
それだけに連載終了の事実を知った時は体の一部を失ったような感覚でした。
いち読者でそうなのであれば、先生ご自身の思いはより一層大きなものなのでしょう。
作品を終わらせる作者の心情としては他の方が「ゆとりノベライズ」で描かれてらっしゃいますが、やはり大きなことなんですね。
加えて本作は連載10年(2005年1月号〜2015年4月号)。その大きさは計り知れません。

最後まで本作らしさ全開!
コメディで、百合で、ドタバタな日常。
新戦力の美雲ちゃん(霧香ちゃんの相方)も相当ズレた方向に強力な子ですし。
この時のエピソードは美雲ちゃんと霧香ちゃんの関係性に主軸を置いたものですが、個人的に「弓道初心者」という立ち位置も興味深かったです。
私自身もこの作品きっかけで半年ほど弓道をかじったことがあり(引っ越しで道場に通えなくなってしまったのです)、「始めたばかりの頃」というのはまた違った視点で見ることができました。
色々やってみるとね、作品の視点自体も増えるので楽しみ方もその数だけ増えるのです♪
「笑い」のみの視点で読み始めましたが、元々はラブにも百合にも食指が動かない方だったのですが2人の進展具合も楽しめるようになって、弓道も初めて。
視点を変えると同じエピソードやネタも別の印象を受けて。
4コマ読者として鍛えて頂いた、という感じですね。
やっぱ私の4コマ歴を語る上で外せない作品だ、うん。

「百合コメの神髄かっ!」と感じたのはP48右の「事実婚」。
水夏の相変わらずの天然ジゴロっぷりと真冬ちゃんの「自分で外堀埋めてるよ?」という的確なツッコミ。
このネタ好きやわぁ。
それ以降、秋穂の方も加速していますし。
水夏も自覚が芽生えてからの覚醒が凄いですしね。
そして、最初から最後まで変わらずちょっとしたことでヘヴン状態に陥る秋穂。この子に耐性が付くとかそういうのはないんでしょうね。常に新鮮で羨ましい。
変わっていったことと言えば・・・妄想力?これはホントにインフレし続けましたねぇ。定番のネタの1つですし。
オマケに水夏まで・・・(P75/76)
完全に覚醒済みです。

ネタで言えば玲ちん絡みのネタも好き♪
P86右の「箱入り娘」とか、狙ってボケてくるし、数少ない傍観者の立ち位置ですし。
それだけにP90での「いじり甲斐のあるおもちゃ」発言はこの子でしか出せないなぁ、と思ったり。
桜庭女子sideでは春河と真冬ちゃんが狙ってボケるタイプですが、またそれとは違う立ち位置なんですよね。
この子を含め、キャラの魅力がそのままネタに、そして作品自体の魅力につながっている作品。
10年の年月の中で変化したり成長したりする者もいて、新たに参加するキャラもいて、関係性も変わっていって。
・・・そう考えると真冬ちゃん、変わらねぇなぁ。
ただ、読者の方は変わるので「あれ?・・・他人事じゃなくなってきてないか?」というの・・・げふんふん。
そういえば5巻のカバー折り返しでも先生自身がそれについて触れてらっしゃいましたし、10年ってホント長いなぁ・・・

兎にも角にも、きららMAXの、そしてこのサイトの原点ともいえる作品はこれにて完結。
ギリギリまで日常で、でも読者ニンマリの結末で。
ホントに最後の最後まで楽しませて頂きました。
そして、この作品から始まったこのサイトでこれからも先生や秋穂たちを応援し続けていきます!
たくさんの笑顔と笑いをありがとうございました!!

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