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ぽてまよ

作者 御形屋はるか ぽてまよ
作者HP Chelcy
単行本数 5巻(連載終了)
掲載誌 もえよん(双葉社) → コミックハイ!(双葉社)
Wikipedia ぽてまよ
アニメ アニメオフィシャル
チャート
内容 「森山素直」が冷蔵庫を開けると、そこには・・・不思議な「何か」がいた。
「ぽてまよ」と名付けられた愛くるしい生物とのちょっと変わった日常が始まった頃、再び冷蔵庫から不思議な生物が・・・
可愛らしい不思議生物の「ぽてまよ」と「ぐちゅ子」、そして「素直」に恋する「夏みかん」の恋の空回り。
それらを中心とした中学生達のほのぼのコメディ4コマ。

家族親子
大切な家族(3巻P86右4コマ目)不思議で可愛らしい「親子」です(4巻P47左1コマ目)

コメディ要素と可愛らしい画風が前面に押し出された癒し系の作品。草案では「恋愛中心ギャグ漫画」だったこともあり、ラブコメテイストも多分に含んでいる。
登場人物の多くが非常に個性に富んでおり、癒しの中にもほのぼのとした賑やかさがある。
中学生らしい微笑ましいラブコメ中心だが、その一方でBLコメディの要素も含んでいる面もある。
また、ぽてまよたちの頭から植物が生えて成長したり、新たな不思議生物が参加したり、素直達が高校に進学したりと、
基本的には1話完結ではあるが、全体を通してのストーリー性も含んでいる。
終始ほのぼのとした雰囲気の作品だが、ラストは不思議な雰囲気としんみりした空気が多くなり、彼女達の存在へと着地するエンディングへと繋がっていく。

元々は「もえよん」で連載していたが雑誌自体が休載。その後「コミックハイ!」に移籍し長期に渡る連載を続けた。
また、その人気からアニメ化もされた。
作者にとって初の連載かつ、初の4コマ作品でもあった。
長期連載かつ初の連載ということで、初期と終盤では画風が若干異なる(特に素直)。
感想 愛らしいキャラクターと、ハイテンションなネタが見事にマッチした作品です。
実は私もアニメから入った一人。
この作品は元々1話の中でストーリー性があったり、その話が複数話に渡っていたりするのでアニメ化向きの作品でしたね。
それに絵も可愛らしいですし、キャラクター数も多いですし。原作に近い形でのアニメ化だったのでいい感じでした。

ほのぼの癒し系の優しい作品で、カラーページでの色彩もパステルトーンで優しい雰囲気です。
一番印象に残っているのは、その心情表現の巧みさ。
言葉以上に、しぐさや表情、誌面から伝わる雰囲気でその心の内を表現する技術は尊敬に値します。
だからこそ「かわいいだけじゃない」作品に仕上がっているんでしょうね。
無論、「かわいい」のは言うまでもありません。
ぽてちゃん達だけではなく、キャラクター達も皆可愛いですよね。
みかんちゃんの空回りなんて、毎度「グッジョブ!」っていう感じでしたし。

個人的に京ちゃんがお気に入りです。この子はまともなのかそうでなのか・・・
独特なネーミングセンスで、考えがあちこちに飛んで、基本的に動じない。
大阪で言う「アホの子」(大阪での最大級の賛辞の言葉です)に母性を加えて全体的にいい感じに纏めた、っていうキャラクターですね。
発想の突飛さと「どんな時も変わらない」という存在で、ハチャメチャなぐちゅ子の保護者(彼女じゃなきゃ勤まらないです)。
ぽてまよサイドの主人公が素直君なら、ぐちゅ子サイドの主人公は彼女なんでしょうね。
この二人、反対のようでホント似ています。
寡黙で朴念仁な素直と明るくよく喋る京ちゃん。
でも、天然で、ズレていて、実はおバカで(京ちゃんは分かりやすいですが)、でも世話好き。そして基本的に動じない。
ぽてまよとぐちゅ子の保護者ということもあり、やはり通じ合うものがあるんでしょうか?

京とぐちゅ子ドタバタ
京とぐちゅ子(4巻P91右2コマ目)ドタバタありマス(3巻P10右4コマ目)

ネタとしては「賑やかな日常ラブコメ風味」です。
不思議生物との日常と、様々な形のラブコメが散りばめられています。
普通のラブコメからBLラブコメまで(4巻ではさらに新展開)。・・・後者は女性作者さんならではですね。
2巻ではあとがきでも先生ご自身が「少し重めの展開」と語られているように、ぽてちゃん達に色々あります。
それが上でも語った「かわいいだけじゃない」のもう一つの側面。
ぶつかったり、転んだりしながら変わっていくキャラクター達。
素直も、みかんも、ぽてまよも、みんな少しずつ成長していきます。
4巻ではいくつものイベント彼女達の変化と成長。 それらが見事に織り込まれた、1つの連なった青春絵巻になっています。 そうして中学から高校へ進学。
新たな仲間も加えて、物語も彼女たちも加速していきます。
そして・・・賑やかで、かわいくて、でもそれだけじゃない物語は最終巻の5巻にて再び大きく動き出します。

この手の「ほのぼの日常だけど、設定に不思議な存在がいる」場合は、その最後をどう締めるかが凄く気になりました。
長期連載で、多くの読者も感情移入している作品ですしね。
「変わらない日常」なのか「新たなスタート」なのか。彼女達の存在を謎のままにするのか答えを出すのか。
個人的に、「この作品ならではのラスト」だったと思っています。
幾つもの話と思い出を積み上げてきたからこその展開。
5巻を購入した時に、そのまま読まずに1巻から全てを読み返して5巻を読んだのですが、それがなお良かったです。
「今まで」の先にある「明日」を予感させる優しい余韻の残るラストで、私は凄く好きです。
雑記 ぽてちゃんの頭、いつもはとりが乗っていますが、第1話のみ、ナースキャップのようなものを被っています。
2話以降はそれが無くなり、とりがちょこんと乗っているのですが、もう1度だけナースキャップを被った事があります。
それは、5巻の過去話の中。
先生・・・「最初は被っていて、その直後から被らなくなった」ってことをずっと忘れてなかったんですね。
2話の時点で被っていなかったので、忘れても不思議じゃないのに。
やっぱり、生みの親としてのキャラクターへの愛を感じますね。
さらに雑記 直接内容と関係のある話ではないのですが、
実は、この作品のレビューで、「当サイトで作品を扱っている作家さんが100人」になりました。
それなりに長くサイト(と言ってもまだ1年経っていないですが)をやっていると、節目というものが出てきます。
100日目にはそれを記念して尋常じゃあない量の更新を、100本目のレビューでは「うぃずりず」をレビューしました。
そして、今回が100人目の作家さん。
というわけで、この作品を今まで温存していたわけです。
「最終巻が出てからレビューを書こう」と思っていたのでタイミング的にもばっちりでしたし、大好きな作品ですし、有名ですし。
単行本 発売日 ・1巻:2005年9月12日
・2巻:2007年5月12日
・3巻:2008年6月12日
・4巻:2009年10月10日
・5巻:2011年5月12日
試し読み WEBコミックハイ!:1巻
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