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あおいちゃんとヤマトくん

作者 師走冬子 作者HP

とことこ日記
掲載誌 まんがタイムジャンボ(芳文社) 単行本数 6巻(連載終了)
Wikipedia あおいちゃんとヤマトくん
チャート
内容 「紺野あおい」と「田代ヤマト」は家が隣同士の幼馴染。
大学の学部も学科も、そしてバイト先まで同じだが、恋人というわけではない。
バイト先の本屋「クローバー」を主な舞台に、作者らしいほのぼのとした人間模様を描くお気楽コメディ4コマ。
個性的なキャラクターとその関係性をコミカルに描いており、長期連載作品でありながら、中心となる人物はさほど増えないため非常に読みやすい。
幼馴染以上恋人未満の不思議な関係性から、ほんのり恋心に発展しかける微妙な間柄のあおいとヤマトがネタの中心となるため、非常に思わせぶりなネタが多い(由架登場以降、由架本人を含め、それ以外のキャラクター達も恋愛絡みのネタが増えた)。
また、作者自身が本屋でのアルバイト経験があるため、本屋ならではのネタも多い事が特徴。
前半から中盤にかけては、ほんのりラブコメな人間模様。
中盤以降はラブコメ要素が多めになり、ラストの6巻の真ん中あたりからはさらにその傾向が強くなった。
特に最後の数話は6巻にもわたる長期連載の、あおいとヤマト、そしてヤマトの妹の「かえで」と「鮎川教授」の関係性の総決算となっている。
そのため、コメディとしてよりも、恋愛色がかなり強くなっている。
その中でも、作者らしい笑いが見事にミックスされている。

単行本のカバー裏ではキャラクター達の過去のお話が掲載されている。

初期はネタが1本ずつ独立していたが、後半は1話の中で話の流れがあるように変化した。
感想 ほぼ本屋の中だけの話でありながら、これだけ展開させることが出来るのは「流石!」の一言です。
終盤まで二人の関係性は変わらず、登場人物も無駄に増えない。
流石は師走先生、と称賛の意を著さずにはいられない作品です。
ライトなラブコメで、テンポよく読めますし、設定やキャラクターが分かりやすいため、どこからでも読める感じですね。
4コマ界のビッグネーム、師走先生らしい作品で、先生の他の作品のキャラクターも時々顔を出したり(逆に「花やか梅ちゃん」にあおいが顔を出したこともありましたね。)。

タイトルにもなってるあおいとヤマトの関係性がネタのほとんどです。
常に一定の距離を保ちながら展開されるネタの数々。安定感の高いラブコメです。
幼馴染で友達以上恋人未満。この業界ではベタですが鉄板です。
そこに店長夫妻のちょっとピリリとしたネタが加わります。
そして、ゆっくりとキャラクター達が増えていき、彼らのネタも増えます。
そのため、進むにつれ、ネタの種類が徐々に変わっていきます。長期連載作品ですし。
段々と恋愛色が濃くなっていきます。
でも、あおいとヤマトの関係性は相変わらずで、この二人のネタはいつもの様に展開されます。抜群の安定感です。
この「いつも」と、「新しい要素」が混ざるところがこの作品の特徴。
一本「あおいとヤマト」という芯が通っており、それを装飾するように他のネタがあるんです。
それがこの作品がブレない秘訣だと思っています。
あと、ヤマトはなんでも出来てモテるのにいつもあおいの保護者をしていて、実は意外と弱点多かったりするところとか♪(高所恐怖症&犬と虫と暑さが苦手)

先生の作品ではよく恋愛要素が含まれますが、この作品は他の作品に比べ、恋愛色が強く出ていることが大きな特徴でしょうか。特に後半は。
ラスト数話は読んでいるこっちもヤキモキしましたよ。
ホントにもう、怒涛の展開の連続でしたしね。
前半のコメディ色強め・中盤のラブコメ・後半のラブ多めのコメディ、と徐々にラブ要素が増えていっている気がしますね。
読み手としてはだんだん感情移入も強くなっていくわけですから、「幸せになれよ!」という母性に近い感情で読むので、いい意味で振り回されちゃいましたね。
やはり、この方の作品はステキです。
雑記 4巻P9に多くの師走ワールドのキャラクターたちが登場していますね。それ以外にコラボしたり、顔出しはあるんですが。
1コマ目は「女クラのおきて」の3人。先生の初期の作品ですね。約1名は「うさぎのーと」に成長した姿で出演中です。
2コマ目は「スーパーメイドちるみさん」のヒロイン、ちるみさん。現在も連載中の人気作です。
3コマ目は「いつも心に太陽新聞」の皆さん。約1名の従妹が「うさぎのーと」に出演中です。
2巻・3巻には「スーパーメイドちるみさん」とのコラボまんがも掲載されています。
やはり、こういうことが出来るのも、作品数が多い師走先生ならでは、ですよね。
さらに雑記 有名な話なのであえてここでお伝えするまでもないのでしょうが・・・
師走先生の10冊目の単行本はこの「あおヤマ」の2巻、
20冊目の単行本も「あおヤマ」の4巻、
30冊目の単行本も「あおヤマ」の5巻。
なぜか節目節目がこの作品になるんですね(狙ったわけではないそうです)。
ちなみに、10冊目の単行本の2巻の巻末にちるみさんとのコラボが載ったのですが、一部が編集ミスで収録されていませんでした(そのため話が微妙に繋がらなくなっちゃっています)。
そのため、3巻で改めて収録されたのですが、ファンからはかなり好意的に「ネタ」として受け入れられたようで、流石の人徳だなぁ、と感じます。
単行本 発売日 ・1巻:2004年7月2日
・2巻:2005年7月4日
・3巻:2006年3月3日
・4巻:2007年11月7日
・5巻:2009年7月7日
・6巻:2010年12月7日
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