ポケットに入れたままの自分の手があたたかいのを知っているのに、あの人の冷たい指先を後ろから見つめたまま ずっとずっと、立ち竦んでいる んだ。
不可視の壁 だからこそ気付けなかった、いや気付こうとしなかった、いつだって真実は目の前にあるのに恐くって目を向けられなかった。
とめどなく溢れるこの感情に名前をつけるのだとしたら、それは たわいのない人間としての執着心 であるかもしれないし、ただの 満ちることのない欲望 なのかもしれない。
呼吸すらゆるさない怒涛 と 幕間 。
少年少女よ、さあ 夢を召し上がれ 。
事実、この世にはどうでもいい平和的な愛とか好意とかが混沌としていて、そこに真実があるのかと問われれば「 まじりけない不純でした 」と正直言わざるを得ない。