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せいなるめぐみ

作者 荒井チェリー せいなるめぐみ
作者HP
掲載誌 まんがタイムきららキャラット(芳文社)
単行本数 2巻(連載終了)
Wikipedia せいなるめぐみ
チャート
内容 お嬢様がごくごく普通の高校にやってきたら?しかも、中身はほとんどオヤジだったら?
「お嬢様」という単語の意味をもう一度考え直したくなる、ちょっと変わった学園ラブコメ4コマ。
作者特有の優しいタッチと、おっさんのようなセクハラ発言のお嬢様が見事な化学反応を起こす作品。
お嬢様の「刑部聖」の色々な意味でズレた発言に対し、周囲がツッコむという流れが基本になっている。
無論、周囲の人間も個性豊かで、それらがネタになることも多い。
少女漫画を男女の立場を入れ替えて、笑いを大量に投入して、主人公をオヤジっぽくしてみました、という印象。

単行本のカバー裏ではキャラクター達による個性的な料理コーナーになっている。
感想 この作品にしろ、「未確認で進行形」にしろ、やや今までの先生の作品とは異なる雰囲気があるようにも思います。
この作品でも、聖のセクハラ発言・乙女ちゃんの百合要素などで、若干“万人ウケ”という意味ではやや低め。
掲載誌に合わせてそういう色になっているのかな?
とはいえ、相変わらずブレない笑いの方向性は健在で、安定感のある作品。
ラブコメ要素を多分に含んでいるのですが、本来女の子の立場である筈の所にみっちゃんがいたり、当の主人公はオヤジ臭かったり恵みちゃんを崇拝していたり、そこに百合まであったり、と笑いを生み出すための要素の塊のような状態ですね。
まあ、何と言っても聖のキャラが濃いところが最大のポイントですね。
お嬢様でオヤジで恵ちゃん命で味覚音痴なのに基本的にはハイスペックで・・・
重装備だなぁ・・・

ネタはやはり聖を中心としたモノ。 聖自身の一般ともお嬢様ともズレた特異な思想や発言そのものだったり、草食系男子・みっちゃんの聖への想いや草食っぷり、乙女ちゃんの聖に対する「正しい意味でのツンデレ」っぷり。
そして、ひよりちゃんは基本ツッコミです。時々ボケを生み出すこともありますが。
やや特異な属性を持った作品ではありますが、先生らしい可愛いタッチの絵もあり、それほど「濃い」という印象は受けません。
とは言え、やはり女の子のおっさんの様なセクハラ発言や百合の香りは若干読み手を選ぶところはあるかもしれません。

実はメインの4人が全員家庭にちょっとした事情を抱えていて、その違いやそれぞれの思いが描かれることも多いです。
時にはシリアス・・・もあるんですが、それだけでは終わらないのが荒井チェリーワールド。
しんみりとしたまま話が終わる事は絶対に有りません!
作品全体の明るいノリは常にあり、しんみりしたり、良い話だったりしながらも、ちゃんとオチがあって。
でも、その真面目な部分が物語が進むにつれて重要な要素にもなっていきます。
そう、作品全体として流れのようなものがあり、伏線を貼りながら進んでいく・・・という感じです。
どちらかと言えば、ストーリー4コマに近い作品。
日常の中でイベントが起きたり、重要な発言が登場。
それらが、その後に重要な意味を持ってきたりすることもありますので、順番に読んでいく必要はあります。まあ、普通はそう読むんでしょうけど。
一番大きな変化はやはり乙女ちゃんでしょうか。
見事なツンデレっぷりで、しかも感情が表に全く出ない。
本領発揮後の心の声は先生の作品の中でも異彩を放っていましたね。
また、聖の「恵ちゃんフィギュア作り」は「積み重ねていくタイプのボケ」でした。
是非、単行本で積み重ねの経緯と共にご賞味あれ。
単行本 発売日 ・1巻:2010年6月26日
・2巻:2011年12月26日
試し読み まんがタイムきららWeb:1巻
まんがタイムきららWeb:2巻
関連項目 ●ジャンル ラブコメ
お嬢様モノ
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