作者 | 真田一輝 | ![]() |
||
---|---|---|---|---|
作者HP | ![]() バナーは以前のサイトのものを使用しています |
|||
掲載誌 | まんがタイムきららキャラット(芳文社) | |||
単行本数 | 2巻(連載終了) | |||
Wikipedia | インプロ! | |||
チャート | ![]() |
|||
内容 |
響ヶ丘高校に入学したスポーツ万能の「天野優希」はクラスメイトの「石川菜桜」に誘われて演劇部に体験入部する。 部長で真正ドSで百合の「秋月沙耶」、ミニマムで純真な「仁科美夜子」(通称:ミャー子)、 そして、クールで謎の多い「鷹梨帷」。 個性豊かな部員たちによる演劇と、青春と、成長と、百合の物語。 「落花流水」で圧倒的人気を誇る真田一輝先生が送る新たな百合の世界。 先生の作品としては珍しく作中の時間がゆっくりと流れている。それに伴うキャラクターの成長も大きな魅力の一つ。 また、「木曽路真綾」と「軒下時雨」(両者共に教師)という熟年カップルが描かれるという特徴もある。 無論、先生の最大の特徴である百合とブラックユーモアはこの作品でもエンジン全開。 なお、タイトルの「インプロ」とは、1巻の帯にあるように「インプロビゼーション(Improvisation=即興)」から生まれた演劇界の言葉で、「台本のない即興劇」のことである。 また、同じく帯に「ストーリー4コマ」とあるように、話に流れがあり、以前の話を知った上で読むことを前提とした作品。 |
|||
感想 |
うちのサイトで度々宣伝させて頂いておりました本作。単行本発売当日に早速レビューさせて頂いております。 この作品は印象ですが、笑いの成分をやや抑え、彼女達の成長や青春を全身で楽しむ姿を強く描いている気がします。 無論、「落花流水」でもそういう描写はありますが、こちらではそれがより重要な要素となっているように感じるのです。 ジャンルこそ違いますが、私も音楽(ヴォーカル・ギター・サックス)でライブ(スクールの発表会)に出ています。 そのため、「舞台に立つ」という点で非常に共感したり勉強になったりすることろが多いです。 実際に取材をされて現場の声を受けて作られているとのことで、感じるものがあるのはやはりそういう所からなんでしょうね。 舞台に立つ人間だけが知っているあの独特の世界。 あのクセになる世界を魅力たっぷりに描いた作品です。 先生の作品では「多くのキャラクターが百合属性」という括りがあるものの、その中で非常に個性豊かなカップル達が登場。 一言で百合と言ってもこんなに色々な形があるのかぁ・・・と驚いています。 この作品でも優希ととばりん(帷)、菜桜と沙耶、真綾先生と時雨先生という3組が既に登場。 そのどれもが、今までの先生の作品では描かれなかったようなタイプ。 これもキャラクター達の魅力によるものなんでしょうか。 優希はなんだか先生の「さつきばれっ!」(フォワードで連載されていたコマ割り作品)の銭形皐月に似た感じですね。 元気で明るくて突っ走る。周囲を巻き込んで、気が付くと周りの人たちを意識せずに変えている。 この作品1巻の最大の見どころはそうやって知らず知らずのうちに影響を受けて成長していくとばりん。 1巻の最初と最後、彼女の表情が大きく変わっていますが、そのきっかけにいるのは常に優希。 こうやって自分の人生を変えてくれる人と出会える人って、ホントに幸運なんでしょうね。 先生自身もBBSで『彼女たちはみんな、1人では頭打ちの青春だったはずが 出会ったことで成長していっている感じ』と仰っているように、誰かと出会えることで成長出来る。 百合もブラックユーモアも大きな魅力です。それは間違いありません。でも、それだけじゃない作品なんです。 以前同じくキャラットで連載していた「the Airs」でも主人公の成長が強く描かれていました。 そのためシリアスなシーンが多かったです。 この作品でも成長を描いていますが、笑いとのバランスがとれていて、読みながら楽しい気分になれます。 この辺りの作風・内容・雑誌の色・読者層のバランスって難しそうです。 他の作品との差異といえば、メインキャラの中に超高校級のドSの方がいるのも珍しいです。 沙耶の「スペアリブの刑」や「メロンパンの刑」といった、処刑シリーズ(いわゆるおしおき)がそれですね(後半出てこなくなりましたが)。 それに、この方の「可愛ければ特定の誰かでなくてもOK」というのも「さつきばれっ!」の求馬さん(常にカワヨイ者の味方)以来ですし。 ドSについては「落花流水」では日工大サイドにそういう方がいますが、メインキャラというのは初? 「執事少女とお嬢様」(フォワードで連載されていたコマ割り作品)のひなた(酔いVer.)は例外としても・・・ それに加えて当初はピリッとしていたとばりんの変化。 真田先生自身もご自身のサイトのBBSにて 『今作の「鷹梨帷」は、敢えて謎の多いキャラにしています。 ちょっとずつ皮を剥いでいこうと思ってるので どうぞお付き合い下さい。 ストイックなようで実は色々あるキャラです。』 と仰っていたように、少しずつその過去と心境が明かされ、変化していき・・・ 色々と今までの作品と違う特徴があって、かなり設定もキャラクターの構築も綿密に行われたんだな、と感じます。 この作品が先生の他の作品と違うのは、「演劇」という性格上、衣装や表情が多彩であること。 先生の作品のキャラクターは皆、魅力的な女の子♪その彼女達の色々な姿や表情が見られるのは嬉しいですよネッ! 「落花流水」では、私服回もありますが基本は制服か袴。 仕草や表情といったものも「そのキャラのもの」が基本。 ところが、この作品は「役」があります。 天然無垢なミャー子の黒い笑みを始め、様々な表情、そして数々の衣装が楽しめるのです。 それもまた見どころで、一人のキャラクターを色々な方向から楽しむ事が出来ます。 勿論、「役ではない」色々な面も楽しい所。 謎の多いとばりんの表情が砕けていき、様々な面が見えてくる様子(何段階ものデレが用意されているそうです)。 そして、ドSで頼れる仕切り屋の沙耶の意外ともろい一面。 この人間的魅力もまた、大きな武器であることは疑いようがありません。 そして、もう一つの特徴は先生が連載前にブログで語られていた『「好かれる側」を主人公にしたい』です。 他の作品の「誰かに憧れる主人公」ではないことによって生まれる新たな真田一輝先生ワールドをご堪能下さいませ♪ 1巻分の内容は連載当初から流れを決めて描かれたとのことで、見事に1つの流れとして完成しています。 この1冊でまさに1つの作品、といった感じで、話も大きな区切りとなっています。 連載開始から追いはじめ、単行本も発売日に手にし、レビューも速攻。 レポートも書いて・・・極めつけはWikipedia。 というわけで、単行本情報などはそちらに書かせて頂きました♪ |
|||
雑記 |
きらら作品では単行本の巻頭にカラーの描き下ろしが加わります。 多くはおまけエピソードだったり前日談です。 しかし本作では、『1話の前にこれ以上エピソードを入れたくなかったこと。優希と帷の出会いこそ物語の冒頭であってほしかった』ということで連載1話目の6ページまでがカラーで掲載。 その分、巻末に描き下ろしストーリー漫画が収録されています。 また、全面的に作画やセリフが修正されている事が明言されています。 雑誌派の人はそういう所を探すのも楽しいかもしれません♪(実際、楽しいです♪) |
|||
さらに雑記 |
キャラクターに関してはWikipediaの記事が復活するまで・・・と思っていたのですが、かなり私的な意見を増やすという条件で存続させることにしました(Wikiの該当ページはただ今リダイレクト解除提案中)。 ま、このレビューで書き切れなかった各個人に関する内容を書きたいという私的な都合です。 というわけで、「出演者一覧」はこちら。 このレポートの内容に関しては私の思いつきで単行本だけでなく雑誌掲載分によって加筆していくつもりです。 そのため、単行本派の方の場合、「まだ単行本に掲載されていない内容」も書いている場合がありますのでご注意を。 勿論、ネタバレにはならないように注意はしますけどね。 なお、キャラにはまだまだ裏設定が用意されているとのこと。 楽しみです! |
|||
さらにさらに雑記 |
「落花流水」では『雑学流水』にて言葉の解説を行っております。 同様に、本作でも分かる範囲で解説をば。 題して『ゲネプロ!』。 言葉の解説だけでなく、元ネタのあるものに関しても簡単に解説しています。 ん〜・・・レポート名、音の響きだけで選んだ所があり、言葉の意味と内容がちとズレているかもです。 演劇用語は馴染がないのでボキャブるのが難しいのです・・・ |
|||
単行本 | 発売日 |
・1巻:2012年6月27日 ・2巻:2013年7月27日 |
試し読み |
まんがタイムきららWeb:1巻 まんがタイムきららWeb:2巻 |
関連項目 | ●ジャンル | ・百合モノ | ●チャート | ・万人ウケ(低い) |
●データ |
・学校 ・スリーサイズ |
●作品研究 | ・百合の咲く所 | |
●作者別 | ・作者別作品一覧 | ●各巻感想 |