作者 | まつもと剛志 | 作者HP | Thank you Berries | |
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掲載誌 | ヤングアニマル(白泉社) ヤングアニマル嵐(白泉社) |
単行本数 | 10巻(連載終了) | |
Wikipedia | まじかるストロベリィ | |||
チャート | ![]() |
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内容 |
帰り道に奇妙な植木鉢と出会った帝旺大学・植物学科専攻の「日下部光太」。その日、花の妖精を名乗る「いちこ」が部屋に現れる。 その植木鉢は「魔法苺」(マジカルストロベリー)といって、持ち主の愛情を糧に育つのだという。 妖精といっても小さな女の子。 ご主人の光太に激ラブないちこは今日も絶賛過剰奉仕中。 その一方で同じく光太に想いを寄せる同じ大学の「冬月日夏」(通称:ヒナ)。 いちことは恋のライバルの筈が、優しいヒナにすっかり懐いて仲がよくって。 そんなヒナは生物農薬学専行で、園芸サークルにも入るくらい植物が好きなのになぜか育てる植物は枯らしてしまう体質。 そんなヒナの元にもマジカルブルーベリーの妖精「ニコラチェノフスキー」(通称:ニコ)が現れて・・・ 植物を通じた人間と精霊、そして彼女達の繋がりを描く優しい4コマ作品。 競争の激しい4コマ界において、10巻もの長期連載を完結させており、その長さに比例して可愛らしいキャラクター達もゆっくりと増えていった。 話の間には単発の2コマ漫画が幾つも挟まれている。 また、あとがきの「楽屋ばなし」が非常に深い。作品の中で描かれる人と人の繋がりや幸せもあり、「ただの可愛らしい作品」ではない深みのある作品。 なお、作者は他誌で現在同じく植物を扱った「野菜畑でつかまえて」を連載していた。 そちらは農業と共に生きる中学生達を描くほのぼのラブコメ4コマ。 |
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感想 |
ファンタジックで、ほんのり少女漫画風味な優しいテイストです。 読むだけで優しい気持ちと幸せな気持ちで心が満たされます♪ でも、それだけでない深みと笑いを併せ持つ不思議な力を持った作品。 登場人物が可愛らしい♪ 背が高くて植物バカのにぶちん大学生と、小さくて可愛らしい妖精の女の子。 ご主人ラブでいつも構って欲しくてくっついてきては華麗にスルーされて。 ヒナちゃんはヒナちゃんで超が付くくらいの純粋乙女(手をつなぐことを想像するだけでトリップしちゃう大学生・・・)。光太に片思い中♪ そしてご主人のヒナのために光太との仲を取り持とうとするも、自身もヒナに惹かれていくニコ。 で、いちことニコも仲良くケンカしな・・・そんな関係で。 この恋愛模様が軸になっています。 ドタバタな光太といちこ、清楚で優しいヒナと忠義のニコ。 この二組の対比もまたいい味を出しています。 そして不幸引受人のニコ・・・(3巻P55とかね・・・でも、幸せ者) さらに、大学の太刀花教授と娘のさえちゃんも登場。 この二人もまたクールで独特なキャラクターです(でも、なんだかんだで微笑ましい親子です♪)。 で、さえちゃんはニコがお気にりで・・・ 賑やかで個性的な植物で繋がった仲間たち。みんな、可愛いです♪ でも、可愛いだけじゃないんです。 4巻P86でニコが「ボクの周りはとても敵わないような人ばかりで・・・」と発言していますが、 そういう人たちに囲まれているって、ホントに幸せなことなんだなぁ、と感じます。 特に子供のうちは、その背中を見上げることの出来る大人や、認め合うことの出来る同世代がいるって、ホント素敵なことだと思います。 そういう大人に・・・なれてるかなぁ・・・私って。 「なりたかった大人」にはなれていないかもしれませんが、少なくとも「なりたくなかった大人」にはなってないかな・・・なんて。 まあ、私の「らしくないつぶやき」は置いておいて、他にも周りの人たちと歩む中で、気付かずに過ごしている「幸せ」というものを感じさせてくれるエピソードが多いです。 そして、5巻P119〜 のように心がジンッとするお話も。 こういう読んでいるだけで幸せになれる作風が長期連載の秘訣でしょうか。 そう、入れ替わりが激しく生き残り競争の熾烈な4コマ界で10巻達成はまさに偉業! 何かとおモテになる光太。いちこにヒナ。 さらに作中で後輩の「星菜毬望」が加わり・・・ もー、7巻P111で太刀花先生が「どいつもこいつも良い子で困ったものね」と漏らしていますが、ホントに誰を応援していいのやら!っていうくらいみんな良い子。 多くの作品では「このキャラとこのキャラがセット」というのがほとんどですが、この作品では恋愛に限らないのですが一緒に出演する組み合わせが無数に存在するのも特徴。 良い子たちだからこそ、色々な恋愛模様が複雑に絡んでいるのに仲がいい彼女達。 全員がまっすぐで、一生懸命で、応援したくなる子たち。 だからこそ、「皆幸せになって欲しい」そういう気持ちで読むんです。 読んでいる方も幸せになれるのは、きっとそういう気持ちにさせてくれるからなんでしょうね。 内容の可愛らいしい関係性の一方で、劇中アニメの「パンダ子ちゃん」がシュールでステキ。 それがまた爆発的な笑いを生むわけで。 それ以外にもショートショートや2コマ漫画等を中心にシュールなネタが展開。 また、芸人さんネタもちょこちょこ入っています♪ 懐かしのドリフの西遊記とか(7巻P76:今の子たち分かるかな〜?って、私もその世代でもないのですが。ニコよ・・・よく知っていたな・・・)。 可愛らしくてラブコメ。そういう印象の強い作品ですが、それだけでなく笑いもしっかり詰まっています。 本編も楽しい笑いがたっぷりです。 無論、男の子二人がツッコミです。 4コマ界最強の可愛らしいラブコメです♪ 「にゃんにゃんだもの」 そんな良作。 |
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雑記 | この作品、登場人物が多いです。そして、ご主人と妖精の組み合わせもあります。 というわけで、こちらに整理してご紹介! 日下部光太&いちこ:マジカルストロベリーの妖精コンビ 冬月日夏(ヒナ)&ニコラチェノフスキー(ニコ):マジカルブルーベリーの妖精コンビ 前坊直樹&スージー・ラインハルト:マジカルラズベリーの妖精コンビ 太刀花先生&太刀花さえ:親子 星菜毬望:光太やヒナの後輩 |
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さらに雑記 | ちなみにですが、本作品のレビューが当サイト200本目のレビュー! 色々考えて、「200作品目には是非これを!」と決めさせて頂きました。 さらに、連続レビュー「心に残る名作・可愛いだけじゃない作品祭」の締めを飾る作品でもあります。 |
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単行本 | 発売日 |
・1巻:2005年4月28日 ・2巻:2005年11月29日 ・3巻:2006年4月28日 ・4巻:2006年10月27日 ・5巻:2007年4月27日 ・6巻:2007年10月29日 ・7巻:2008年4月28日 ・8巻:2008年11月28日 ・9巻:2009年4月28日 ・10巻:2009年7月29日 |
試し読み | ヤングアニマルWeb:1巻 |
関連項目 | ●ジャンル |
・ロングセラー ・ラブコメ ・大学生 ・小学生 |
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