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氷室の天地 Fate/school life

作者 磨伸映一郎 氷室の天地 Fate/school life
作者HP
掲載誌 まんが4コマぱれっと(一迅社)
 → 月刊ComicREX(一迅社)
単行本数 15巻(連載中)
Wikipedia 氷室の天地 Fate/school life
チャート
内容 人気ゲームの「Fate/stay night」の公式コミカライズ作品。TYPE-MOON監修。
ゲームの主要人物ではなく、作中1回しか登場の無い脇役である3人娘をメインに据えたコメディ4コマ。
文武両道の知略家「氷室鐘」、何事も力技の「蒔寺楓」、昭和代表「三枝由紀香」を中心とした、ゲーム本編の熱いバトルとは全く無縁の物語。
そのため、ゲームの主要人物はほとんど登場せず、「英霊」や「魔術師」達も基本的に登場しない(登場してもサブキャラ扱い)。
原作の知識は特に必要無く、むしろ作中のそこここに仕掛けられている幅広いジャンルの小ネタをどれだけ理解できるかが作品を楽しむ重要な要素となる。
それほどに小ネタが多く、特にサブカルチャー方面のパロディネタが多い。また、歴史関係のネタも多い。
それに加え、氷室の計略を生かしたハイレベルな知略戦も時折展開される(主にゲームや試合)。
もう一つの特徴としては、文字が多いため(解説が多いので)、読むのに時間がかるという点。

ぱれっとにおいて創刊号から続く最長期連載作品であり、Fateスピンオフ作品としても最長寿作品。
2022年4月号をもってぱれっとが休刊となった後は掲載誌を月刊ComicREXに移して連載が継続している。
感想 昔は私もそこそこゲーマーでした。RPG専門の(かなりの)やり込み型の。で、ある時を境にぱったりとゲーム断ち。
それ以来PCのフリーソフトをちょこっとやるくらいで、ゲームは全く。そもそもPCゲームを買ったことは人生で1度も無かったり。
そう、原作である「Fate/stay night」もほとんど知りません。
流石にこれだけ有名なので、名前とどんな作品か、アニメ化したという事実はぼんやり知っている程度。
元々ゲームやアニメのコミカライズ作品やアンソロ集は「元ネタを知らない」という理由で敬遠していました。
それは本作も例外ではなく、「元ネタ知らんし・・・」と思っていました。
んが、実際に読んでみると・・・
「元ネタ関係ねぇ!!」と普通に楽しめました。
だからこそ声を大にして言いたいです。いえ、言わせて下さい。
『原作を全く知らない私でも普通に楽しめました = 誰でも楽しめます!!』
「原作を知らない」という理由だけで敬遠するにはあまりにも勿体ない作品です。それくらい、笑えます。楽しめます。
ハイレベルなパロディネタと知略戦。
この作品を楽しむのに必要なのは「英霊」や「魔術師」、そして「聖杯戦争」の基礎知識ではありません。
いかにパロディネタを読み解けるか、です(2巻カバー裏の「飛べ! 孫悟空」ネタとか・・・マニアックすぎるでしょ。あとP47の「できる・できないのひみつ」ネタは・・・マニアックとかそういうレベルでもない気が・・・。あのシリーズ、好きでした)。
特に格闘漫画やメカモノのネタの多いこと多いこと・・・
とは言え、私もサブカル方面は結構疎いです(特に上の2つのジャンル)。
それでも普通に楽しめます。そちら方面に詳しい方ならなおのこと楽しめるのではないかと。
歴史ネタは大抵解説が作中に併せて載っていますしね(それ自体もネタになっていることが多い。構成のレベル高いなぁ・・・)。

本作を最初は敬遠していたもう一つの理由。それが、読み始めたのが途中からだったことです。
ぱれっとに掲載されているので、そこで触れたのですが、最初に読んだのが「体育祭」のお話(単行本4巻に収録)。
「・・・氷室はなぜ一成を避けてるの?」と頭の上にクエスチョンマーク。
基本的にこの作品は一話完結ですが、大きなストーリーがあり、氷室と一成の関係性もそれに関係する重要な要素。
1巻の球技大会での勝負以来、その因縁は現在進行形で続いています。
私が「?」となったのは3巻での「英雄史大戦」というゲームでの戦いに絡むもので、これに関しては5巻にてついに完結しました。
初めて読んだのがそのちょうど間のお話。
そのため、以前に何があったのか分からない状態だったんですね。
故に、「途中から読み始めると、面白いけど分からない部分もあるヨ」という作品です。
ポイズンガールバンドの言葉を借りると、「順番に読むと面白い」作品です。
ゲームを知らないということで敬遠していたことに加え、途中からなので、長い間正当に評価出来なかった作品。
今なら言えます、めっさ面白いと。

また、パロディネタメインかつ学園モノでもあるため、話の幅が非常に広いのも特徴ですね。
ゲーム・料理・インターハイ・テストや修学旅行などの各種学校行事・・・
それでいながらネタには絵画などの美術や歴史モノも。
ジャンルが広いとか、そういう次元すら超越した「ジャンルを絞らない」というジャンルなのかも。

2巻P70のガンジーネタは爆笑しました。もはやこれはガンジーではない!って。
あと、2巻P80の某探偵番組ネタ。関西以外の方にはどれだけ分かるかな〜♪
先生も阪神淡路大震災を経験されてらっしゃるということで、関西の方のようですね。
雑記 ホントにパロディネタ、多いです。
そんなわけで、それらの元ネタを紐解くレポートを書いて・・・みようとは思ったんです。
んが、尋常じゃあなく量が多いのなんの。
それに、ある程度古いのであれば私もある程度は分かるんですが、最近のサブカルネタはとんと(メカモノやバトルモノは特に)。
そもそも、それほど詳しいわけでもないですので、確実に拾い忘れや全く分からないネタもあるので断念しました。
いや、ホント先生の得意ジャンル、多彩すぎっスよ。

と思っていたら、やはりありました。検証を行っているサイト。
おしえて 親切なメガネの人!(磨伸映一郎作品 元ネタ検証wiki)
何が凄いって、情報量自体も凄いのですが、その幅広さ。
onlineの「マキジ大作戦」は勿論、先生の別の作品までカバー。
さらには各キャラのネタの傾向や索引まで!
ウチが「広く浅く」のサイトなら、こちらはまさに「一点集中」。
いやはや・・・ヘタに手を出して恥かかなくてよかったです。どれだけ時間をかけてもここまでのレベルは・・・私には無理です。
これだけのパロディネタを織り込んでくる磨伸先生も、それを読み解く管理人様&親切なメガネの人達も凄ぇ・・・

P.S.
私もちょこっとだけネタの提供をさせて頂きました。
それにしても、ネタの提供から掲載までが早い・・・(いやホント)
おまけに補足まで凄い丁寧・・・
ホントに、頭が下がる思いです。
さらに雑記 本作は「Fate/stay night」の公式コミカライズ。で、「Fate/stay night」はTYPE-MOON作品です。
作者の磨伸先生は他のTYPE-MOON作品のアンソロ作品も描いているわけで。
それらのアンソロを纏めた本が出版されております。
で、基本的に非4コマです。
うちのサイトはあくまでも「4コマファンサイト」のため個別には扱えませんので、ここで一緒に紹介しておきます。
現在までに3冊出ており、全てアンソロ集。
「氷室の天地」は“公式コミカライズ”ですが、これらは“公式アンソロジー”という位置付けです。
業界の事はよく知らないんですが、前者は原作の設定とリンクしており、後者は原作とは別物という扱いのようです。

・月の彼方、永遠の眼鏡 〜TYPE-MOON作品集〜 全2巻(一迅社)
・月光はレンズを越えて 全1巻(宙出版)

「氷室の天地」と違って、原作を知らないと分かんにゃい内容です。
ただ、特有のテンションと濃いパロディネタは健在。
分からないでも分からないなりに楽しめました。
特に「月光はレンズを越えて」は「氷室の天地」の三人娘を描いたお話も多く、非常に楽しめました。
・・・「氷室の天地」は一迅社さん、「月光はレンズを越えて」は宙出版さん。
世の中色々あります。
取り敢えず言いたいことは、「先生は眼鏡好き」ということが分かりました。
そんなこんなで、興味のある方はこちらも読まれてはいかがでしょうか。
まあ、私のように「原作知識ゼロ」でも楽しめましたんで。
ただ、「月光はレンズを越えて」は入手難度ちょっと高いです。結構プレミアついていますし。

追記
2014年4月22日に「月光はレンズを越えて」が一迅社さんより再版されます。
これで容易に入手できるようになりましたので、持っていない方は是非!
さらにさらに雑記 2011年9月号のぱれっとにて、「ぼくの考えた最強偉人」という企画の告知がありました。
要するに、「ゴチャゴチャ言わんと誰が一番強いんか決めたらええんや」という企画。
郵便・メールで応募でき、しかもその偉人のイラストを磨伸先生が描くのだとか。
あくまでも「偉人」で、神や悪魔などの実在しない存在はダメだそうです。
募集は8月末までで、当然私も参戦させて頂きました。
絵心ゼロですので、文字だけでの参加なんですが。

最初は「横山やすし」師匠を考えたんですが・・・この人は“笑いの神”ということでルールにある「神様禁止」に該当。
・・・はい、冗談です。単に武器持った人と芸人がガチで喧嘩したら勝てないだろうな、ということです。
まあ、この人は戦車乗り回しても不思議じゃない人ではありますが。
で、次に考えたのは「磨伸先生作品なら・・・眼鏡でしょ」。
ということで、眼鏡の開発者・・・にしようと思ったら、開発者って、不明なんですね。
で、ベタに剣聖とも呼ばれる「塚原卜伝」さんかなぁ・・・とも思いました。
多分、日本史の中では最強っぽいですし、有名ですし。
(銃のような遠距離の武器に勝てるかどうかは分かんないですが。ただ、この方は『無手勝流』もありますしねぇ)
ただまぁ、「有名」ですので当然誰でも思いつきます。それじゃあ私らしくないなぁ、ってことで別の人にしました。
(固有能力もネタっぽいものが思いつかなかったですし)
んまぁ、その人も有名っちゃ有名ですが「最強」のイメージが無かったのでその人を選出して応募。
とはいえ、我ながら「ベタな人を選んだもんや」とは思いました。
で、その人が「グリゴリー・ラスプーチン」です。
・・・有名ではあります。最強のイメージではないですが。
ちなみに固有能力は「半不死身」(毒を飲まされようがリンチされようが銃で撃たれようが生きてた人なんで)。
うっかり歴史に名を残すと恐ろしいにゃー。

ちなみに、発表は2011年12月号・2012年1月号のぱれっとで行われました。先生、そしてスタッフの皆さん、集計&選定お疲れ様です。
あたしですか?ええ、ハリウッド的に「死なないって最強」を考えて応募しましたが、上には上がいました。
そっかぁ・・・オオカミのお腹から復活は確かに勝てねぇ。
というか・・・思いっきりネタに走ってよかったんですね。
皆さん、頭柔らかいなぁ。
さらにさらにさらに雑記 2014年11月号のぱれっとにて、「ぼくの考えた最強偉人」の第2回の募集がスタート!
これは本作が100回を迎えるのを記念して行われました。
その結果はその100回である2015年3月号とその次号である4月号で発表。
・・・相変わらず読者の方も変化球大好きだなぁ、という内容です。はい。
んで、実はですね・・・私の投稿も採用されちゃってるわけです。ホントびっくり。
4コマ誌に「乃凪いるか」として名前が掲載されてネタが採用されたのです!狂喜乱舞!
投稿したのは「かぐや姫」。
イラストがロボっぽくなっているのは物語としてかぐや姫は最終的に“月に帰る”。
つまり、「竹取物語が日本最古の物語であると同時に日本最古のSF小説でもあった」という事実から。
いやはや、久々に貴重な経験をさせて頂きました♪

また、この100回を記念してトークイベントも開催され、そこで配布された「氷室の天地連載100回記念本」はいくつかの同人誌販売店でも販売されました。
詳しくはレポート「同人誌」に記載しています。
ぱれっとonline 氷室の天地 Fate/school life 番外編 マキジ大作戦
単行本 発売日 ・1巻:2008年1月22日
・2巻:2009年2月21日
・3巻:2010年1月22日
・4巻:2011年3月25日
・5巻:2012年1月21日
・6巻:2013年5月22日
・7巻:2014年4月22日
・8巻:2015年5月22日
・9巻:2015年12月22日
・10巻:2017年3月2日
・11巻:2018年1月22日
・12巻:2019年7月22日
・13巻:2020年8月24日
・14巻:2021年7月20日
・15巻:2022年7月22日
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どの作品もサブカルネタがふんだんにちりばめられた事が共通しています。
場合によっては本編以上にそちらが目立つ事も。
この手のネタが好きな方にお勧めです♪

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